歯周病は初期の間は自覚症状がなく、症状が出はじめた頃にはかなり悪化している病気です。少しでも早く歯周病の兆候に気づいて早期発見をするために、セルフチェックをしてみましょう。
目次
歯周病のセルフチェックをしてみよう
歯周病には虫歯のような痛みは出ませんし、歯肉の内部の組織は外からは見えません。そのため、私たちは歯周病に気づくことが難しく、そのまま放置してしまうことがあります。
一つでも当てはまったら、歯周病の可能性があります。
- 歯茎が時々赤く腫れる
- 歯茎がムズムズする
- 歯が浮いたような感じがする
- 冷たいものがしみる
- 歯を磨くと歯茎から出血がある
- 下の前歯の裏側がザラザラしている
- 朝起きた時に口の中がネバネバする
- 口臭がある
- サ行の発音がしにくい
- 歯と歯の間に食べかすがたまりやすい
- 歯がグラグラする
- 歯肉が下がって歯が長くなった感じがする
- 歯並びが変わってきたように感じる
歯周病は歯を失う最大原因
歯周病は日本においては国民病といってもいい疾患で、「歯科疾患実態調査」(2016年厚生労働省)では、中等度以上の歯周病患者数は過去最高になりました。
歯周病とは
歯周病は歯と歯茎の隙間に歯垢(プラーク)や歯石がたまることで細菌が繁殖して歯肉に炎症を起こし、歯周組織がどんどん破壊されていって、最後には歯がグラグラになって抜けてしまうという病気です。
自覚症状が殆どないのが特徴で、気づいた時にはかなり歯周病が進行した状態になっており、歯をどんどん失っていく怖い病気です。
歯周病の分類「グレード」とは?
歯周病の進行を表す分類に、「グレード」というものがあります。
- グレードA【遅い進行】・・歯槽骨が溶ける状態が5年以上ない
- グレードB【中程度の進行】・・5年で歯槽骨の高さが2ミリ未満低くなる
- グレードC【急速な進行】・・5年で歯槽骨の高さが2ミリ以上低くなる
歯周病を予防するための注意点
歯周病を引き起こしやすいのは、細菌の塊である歯垢が歯に付着している状態です。つまり、歯磨きで歯垢を除去すれば口内の細菌の数が減りますので、歯周病を予防することが出来ます。
ただ、単に歯ブラシで歯面を強く磨いたり、長く磨いただけでは歯垢を完全に除去することはできません。そればかりか、歯垢を除去しようと力任せに磨いた結果、逆に歯や歯茎を傷つけてしまうこともあるので注意が必要です。
歯磨きは食後すぐ行うのが理想的です。食事の後は、口腔内細菌が活発に活動するタイミングでもあるからです。
毎日、または毎食後に歯磨きをしているにも関わらず虫歯になりやすかったり、歯周病になってしまう方がおられます。その場合は歯磨きの仕方に問題があり、部分的に歯垢を取り残している可能性が高いため、正しい歯磨きの仕方を歯科衛生士から指導してもらい、実践するようにしましょう。
正しい歯磨きの仕方をマスターしよう
家庭でできる虫歯や歯周病の予防は、毎日の正しい歯磨きです。使いやすい歯ブラシを選び、歯科医師や歯科衛生士の指導を受けて、自分の口内の状態にあった正しい歯磨きの仕方をマスターしましょう。
歯ブラシだけで磨けないところは、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助清掃用具も活用します。特にデンタルフロスを使えるようになると、歯と歯の間や歯と歯茎の間の溝部分から歯垢を除去出来るようになります。
歯周病を早期発見するためのセルフチェックに関するQ&A
歯周病のセルフチェックは、歯茎の異常や症状をチェックすることで行われます。歯茎の赤み(腫れ)や歯磨き時の出血、歯が浮いた感じなどが見られれば、歯周病の可能性があります。
歯周病の予防には、歯垢の除去が重要です。適切な歯磨きで歯垢を減少させることが大切ですが、過度な力で磨くことや歯や歯茎を傷つけないように注意が必要です。
家庭での歯周病予防には、正しい歯磨きが鍵です。歯科医師や歯科衛生士のアドバイスを受けながら、適切な歯磨き方法をマスターしましょう。また、歯ブラシだけで届かない箇所には歯間ブラシやデンタルフロスを活用することも大切です。
まとめ
歯を失う原因の1位は歯周病です。歯周病は初期の段階では殆ど自覚症状がないために、気が付けば重症化していて歯がグラグラになってしまっていることも珍しくありません。
歯周病を起こしているのは歯と歯茎の間の溝に溜まる歯垢の中にいる細菌です。そのためお口の中の清掃をしっかり行うことが予防になります。
ご家庭でのセルフケアの他に、定期的に歯科医院でクリーニングを受けるようにすると、歯周病はかなり予防出来ます。