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銀歯のまわりが臭くなるのはどうして?

銀歯のまわりが臭くなるのはどうして?

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

朝起きたとき、口の中に広がるなんとも言えないニオイ。 「あれ?昨日、ちゃんと歯を磨いたはずなのに…?」
人と話すとき、ふと気になり、無意識に手で口を覆ってしまう。 もしかして、口臭の原因は銀歯のせい? そう思ったことはありませんか?

実は、銀歯のまわりが臭くなるのには、ちゃんとした理由があります。 「口臭ケアをしっかりしているのに改善しない」「なぜ銀歯だけ?」 そんな疑問に、歯科医の視点からお答えします。

このコラムでは、銀歯のまわりが臭う原因と、その解決策について分かりやすく解説していきます。 きっと、あなたのモヤモヤがスッキリするはずです!

銀歯の周りはなぜ臭くなりやすいのか?

銀歯

虫歯を削って奥歯に被せ物をかぶせる場合、銀歯は保険がきくため、被せ物の材質に銀歯を選ぶ方が一定数おられます。

「なぜ銀歯だけ臭くなるの?」と疑問に思う方も多いはず。実は、銀歯の構造や特性がニオイの原因になることがあります。

① 銀歯と歯の間にできる隙間

銀歯は天然の歯と完全に一体化するわけではなく、 わずかな隙間 が生じることがあります。そこに 食べかすやプラーク(歯垢)がたまり、細菌が繁殖 すると、嫌なニオイの原因になります。

銀歯は精巧に作られていても、銀歯と歯茎の間に段差ができやすいです。段差の部分には汚れがつきやすく、歯垢がたまりやすいため、細菌が繁殖して臭いの原因になる場合があります。

② 銀歯の劣化

銀歯は長年使うことで摩耗したり、 微小なひび割れや変形 を起こしたりすることがあります。その結果、 銀歯の下でむし歯が進行 することも。むし歯が進むと 腐敗臭 のようなニオイが発生することがあります。

銀歯は金属なので割れたり欠けたりすることがなく、強い素材なのですが、表面に傷がつきやすく、目に見えない程の細かい傷がつき、そこに汚れがついて細菌が繁殖し、口臭の原因になることがあります。

細かい傷にたまった汚れは歯ブラシできれいにすることが難しく、歯医者での定期健診時にクリーニングを受けないと、汚れをきれいに落とすことが難しいです。

自費診療のセラミックの被せ物の場合は、傷がつきにくく、汚れもつきにくい素材なので、銀歯のように表面についた汚れから臭いが発生することはありません。

③ 歯ぐきの炎症(歯周病)

銀歯のまわりは 歯石やプラークがたまりやすい ため、歯ぐきが炎症を起こしやすくなります。 歯周病が進行すると、膿がたまり、強い口臭を引き起こすことも!

④ 口腔内の乾燥

唾液には 細菌の繁殖を抑える作用 があります。しかし、口が乾燥すると細菌が増え、 銀歯の周囲にたまった汚れが分解され、悪臭を放つ ことがあります。特に 加齢や口呼吸、ストレス などが影響します。

臭いを放置するとどうなる?

「銀歯のニオイがちょっと気になるけど、大したことはないかな?」
そう思って放置すると、 思わぬトラブルに発展する ことも!

  • 銀歯の下でむし歯が進行し、最悪の場合、抜歯が必要になる。
  • 歯ぐきの炎症が慢性化し、歯周病が悪化。歯がグラグラになる。
  • 口臭がきつくなり、人とのコミュニケーションに影響を及ぼす。

① 銀歯の下でむし歯が進行し、最悪の場合抜歯が必要になる

初期の段階

  • 銀歯のすき間に細菌が入り込み、小さなむし歯 が発生する。
  • 痛みがないため気づかず、そのまま放置してしまう。

進行すると…

  • むし歯が大きくなり、歯の神経に達する。
  • 神経が死んでしまうと、一時的に痛みがなくなるが、むしろ危険!
  • さらに悪化すると 歯を抜かないといけないケースも。

特に銀歯の下でむし歯が進行する「二次う蝕(にじうしょく)」は要注意!
銀歯の下で進行するため、痛みが出る頃にはかなり悪化していることが多い のです。

② 歯周病の進行により、口臭が悪化&歯がグラグラになる

歯周病の初期段階(歯肉炎)

  • 銀歯のすき間に細菌が繁殖し、歯ぐきが腫れる・出血しやすくなる。
  • この時点で 口臭が発生し始める。

中期(歯周炎)

  • 細菌が歯ぐきの奥に広がり、膿がたまり、強い悪臭 がする。
  • 歯を支える骨が 徐々に溶け始める。

末期(重度の歯周病)

  • 歯がグラグラし始め、最悪の場合抜け落ちてしまう!
  • 歯ぐきが痩せてしまい、見た目も老けた印象に…

歯周病の怖いところは「痛みがほとんどない」こと。
「ちょっと口臭が気になる…」と思っているうちに、 気づいた時には歯を失ってしまう こともあるのです。

③ 口臭がひどくなり、人とのコミュニケーションに影響が…

「口臭が気になるけど、銀歯のせいだとは思わなかった…」
そんな方は意外と多いもの。
口臭は 自分では気づきにくい ですが、周囲の人は敏感に感じています。

口臭が悪化すると…

  • 家族や友人との会話で無意識に距離を取られる。
  • 職場での印象が悪くなり、コミュニケーションに影響が出る。
  • 人と話すことに自信が持てず、対人関係がストレスに。

実は、「口臭がきつい」と言われる人の多くが、銀歯の隙間にたまった汚れが原因だった というケースも珍しくありません。

④ 口腔内の細菌が増え、全身の健康にも悪影響を及ぼす

口の中には 300〜700種類以上の細菌 が存在しています。銀歯のまわりに細菌が増えると、その細菌が全身に影響を及ぼすリスク もあるのです。

特に影響を受けやすいのは?

  • 心血管疾患(細菌が血流に入り、動脈硬化のリスク増加)
  • 糖尿病(歯周病があると、血糖コントロールが難しくなる)
  • 誤嚥性肺炎(口腔内の細菌が肺に入ると、肺炎の原因に)

「たかが口臭」と思って放置すると、思わぬ健康リスクにつながる可能性も!

「銀歯のニオイ」は危険のサイン! 早めの対策が大切

「ちょっと臭うな…」と感じたら、それは 口の中の異常を知らせる警告サイン かもしれません。

以下の チェックリスト に当てはまる場合、早めの対策をおすすめします。

  1. 銀歯のまわりが ネバつく感じがする
  2. しっかり歯磨きしても 口臭が改善しない
  3. 銀歯のある歯が しみる・違和感がある
  4. 歯ぐきが 腫れたり、出血しやすい

もし 1つでも当てはまる場合 は、早めに歯科医院で診てもらうのがベスト!
「銀歯のニオイ」は放置せず、早めのケアで健康な口元を取り戻しましょう!

銀歯のニオイを防ぐための対策

① 正しい歯磨きの習慣を!

  • フロスや歯間ブラシを活用 し、銀歯の隙間にたまった汚れをしっかり除去。
  • 歯磨きは「仕上げ磨き」まで意識 し、特に銀歯の周囲を念入りに!
  • 殺菌効果のあるマウスウォッシュ を併用すると、細菌の繁殖を抑えられる。

② 定期的に歯科検診を受ける

  • 「銀歯の下でむし歯が進行していないか?」 をチェック!
  • 歯石の除去 も行うことで、歯ぐきの炎症を防ぐ。
  • 「最近、銀歯のまわりがニオう」と感じたら、早めに歯科相談を!

③ 銀歯を見直す選択肢も

「どうしても銀歯のニオイが気になる…」という方は、 セラミックやジルコニア などの 劣化しにくく、汚れがつきにくい素材 を検討するのもおすすめです。

④ 口腔の乾燥を防ぐ

  • 水分をこまめに摂る
  • 口呼吸を改善し、鼻呼吸を意識する
  • 唾液の分泌を促す ガム(キシリトール入り)を噛む のも効果的

銀歯からの臭いを予防するには定期健診を必ず受けること

メンテナンス

銀歯特有の事情により、臭いが発生しやすいとしたら、どのようにすれば銀歯の周辺の臭いを防ぐことが出来るのでしょうか?

ご自宅での歯磨きを徹底して行っても、銀歯の表面の細かい傷に入り込んだ汚れを落とすことは難しく、隣の歯との間の汚れや、銀歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)の中の汚れも、ブラシの毛先が届きません。

そのため、数か月に一度、歯医者の定期健診に必ず通って、プロによるクリーニングを受けましょう。

当院では、エアフローという器械を使って、微粒子のパウダーを歯に吹き付け、同時にぬるま湯でパウダーと汚れを洗い流します。天然歯の表面の汚れも除去しますので、食事にによる着色汚れが落ちて歯本来の色に戻ります。

歯科医院でのクリーニングを受けることで、臭いの元はかなりきれいにすることが出来ます。

歯周病が進行すると臭いが発生する

歯周病の進行歯周病は細菌による感染症で、歯茎などの歯周組織に炎症が起こります。そのため、被せ物をした差し歯であっても周囲の歯茎は歯周病になることがあり、差し歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)の中に細菌が入り込んで毒素を出し、ドブのような臭いを出すこともあります。

歯周病で口臭が発生する場合、歯周病がかなり進行していることが考えられますので、直ちに歯医者で治療を受ける必要があります。放っておくと、炎症による組織の破壊が歯茎から骨へ進み、骨が歯を支えられなくなると、歯がグラグラになって、最後には抜けてしまいます。

そのため、一刻も早く歯周病の進行を止めるための治療を受けることが絶対に必要になります。

歯茎から膿が出ると独特の臭いがする

歯ぐきから細菌が入り込み、歯の根の付近で炎症が起こって、歯茎から膿が出ることがあります。膿には独特の臭いがありますので、歯茎から膿が出ていると、かなりの口臭になります。

膿が出ているとわかったら、すぐに歯科を受診し、歯茎の炎症を抑える処置を受けましょう。

もう口臭を気にしない!清潔で健康的な口元へ

「最近、銀歯のニオイが気になる…」
そんな悩みは、正しいケアをすることで解決できます!

  1. 毎日の歯磨きを見直し、フロスや歯間ブラシを取り入れる。
  2. 定期的に歯科検診を受け、銀歯の状態をチェックする。
  3. 必要ならば、より清潔なセラミックやジルコニアへ交換する。

「もう、銀歯のニオイを気にしない!」
そんな快適な生活を手に入れるために、今日からできることを始めてみませんか?

まずは、今夜の歯磨きから「銀歯のまわりを丁寧に!」を意識してみましょう!

まとめ

歯のキャラクター

銀歯の被せ物をされている方で、口臭に悩んでおられる場合は、銀歯が原因かもしれません。しかし他にも口臭の原因は様々ありますので、銀歯だけが原因ということはないかもしれません。口臭でお悩みの方は、担当の歯科医師や歯科衛生士とよく相談して、口臭対策を行いましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック