歯と口のトラブル

睡眠時の歯ぎしりから歯を守る方法を教えて

睡眠時の歯ぎしりから歯を守る方法を教えて

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

ある朝、目が覚めると、なんとなく顎がだるい。鏡の前で口を開けてみると、奥歯のあたりがチクッと痛む気がする――もしかして、またやってしまったのかもしれない。
寝ている間に、ギリ…ギリ…と無意識に歯を食いしばるクセ。

「私って、そんなにストレス溜めてるのかな?」
「昼間はそんなことないのに、どうして?」

そんな風に悩んでいるあなたへ。
実は、睡眠中の歯ぎしりは 放っておくと歯がすり減るだけでなく、顎の痛み、肩こり、さらには頭痛の原因にもなる ことをご存じですか?

「でも、寝ている間のことなんて自分じゃどうしようもない…」

そう思うかもしれません。
大丈夫です。今日からできる、歯を守るためのシンプルな方法をご紹介します。

なぜ歯ぎしりが起こるのか?

「歯ぎしりって、なんで起こるの?」
この疑問を持つ方も多いでしょう。歯ぎしりには、さまざまな原因が考えられます。

歯ぎしりの原因

  • ストレスや疲れ(精神的要因)
  • 噛み合わせのズレ(歯科的要因)
  • 睡眠の質の低下(生理的要因)

① ストレスや疲れ

日々のストレスや疲労がたまると、無意識に歯を食いしばってしまうことがあります。
イライラしたり、緊張したりすると、顎の筋肉が緊張しやすくなる のです。

② 噛み合わせのズレ

噛み合わせが悪いと、歯や顎に負担がかかり、無意識に歯ぎしりが起こることがあります。
特に 一部の歯に過度な負担がかかっている場合、その歯を守ろうとして歯ぎしりが起こることも。

③ 睡眠の質の低下

浅い眠りのときに歯ぎしりが起こりやすいことが分かっています。
寝る前にスマホやカフェインを摂ると 交感神経が活発になり、睡眠の質が下がる ため、歯ぎしりを誘発することも。

④ 習慣やクセ

日中に無意識のうちに 歯を食いしばるクセ があると、寝ている間もそのクセが続いてしまうことがあります。
デスクワーク中や運転中に、無意識に歯をグッと噛みしめていませんか?

歯ぎしりがもたらす悪影響

「少しの歯ぎしりなら大丈夫」と思っていませんか?
実は、長期間続くと深刻な影響を及ぼす 可能性があります。

  • 歯がすり減る・割れる → 知覚過敏や虫歯リスクUP
  • 顎の痛み(顎関節症) → 口を開けにくくなる・カクカク音がする
  • 肩こり・頭痛 → 顎の筋肉の緊張が、全身の不調につながる
  • 睡眠の質の低下 → 歯ぎしりが睡眠を妨げ、疲れが取れにくくなる

「たかが歯ぎしり」と思わず、早めの対策が大切!

歯ぎしりの強い力から歯を守るには?

歯を守る
では、具体的にどうすればいいのでしょうか?
睡眠時の歯ぎしりを防ぐための、簡単な対策 をご紹介します。

1. マウスピースを活用する

歯ぎしりの方にもっとも効果的なのが、睡眠中にナイトガードと呼ばれるマウスピースを付けて頂くことです。ナイトガードは保険が適用されます。

睡眠中にマウスピースを使用すると、上下の歯が直接当たって強い力で擦られることを防ぎます。歯ぎしりの音もしなくなるため、一緒に寝ている家族の睡眠を妨げることがありません。

クッションの役割を果たすと同時に、歯ぎしりによって歯に加わる力を分散させられるため、歯や詰め物・被せ物が欠けたり割れたりするのを防ぎます。

ナイトガードのメリット

  • 歯のすり減りを防ぐ
  • 顎の負担を軽減する
  • 簡単に取り入れられる(寝るときにつけるだけ!)

また、歯ぎしりによる顎関節症の症状を改善させたり、筋肉の緊張をゆるめる効果もあります。

ナイトガードをつけて寝ると違和感あるの?

マウスピースは歯に装着した時に、締め付けられるなどの違和感を感じることがありますが、すぐに慣れてしまい、違和感なく眠ることが出来るようになります。

ナイトガードの作製について

ナイトガード

ナイトガードを作るには、歯科医院で型取りをして、患者さんの歯型に合わせたものを作製します。市販のマウスピースもありますが、歯科医院でオーダーメイドのものを作る方がフィット感がよく、効果的 です。

ナイトガードは使っているうちに、強く当たる部分が擦り減り、穴があいたり、変形が起こる場合もあります。ナイトガードが破損してきた場合は、作り直します。

個人差がありますが、1年位で作り直す場合が多いです。

2. リラックス習慣を取り入れる

ストレスが原因の歯ぎしりには、リラックスする習慣をつける ことが大切です。

寝る前にできる簡単なリラックス法

  • 深呼吸をする(4秒吸って、7秒止めて、8秒かけて吐く)
  • 温かいお風呂に入る(38〜40℃のぬるめのお湯が◎)
  • スマホ・パソコンを寝る1時間前にはOFF

カフェインやアルコールの摂取を控えることも、睡眠の質を向上させ、歯ぎしりの軽減につながります!

3. 歯科健診で噛み合わせをチェックする

「自分の噛み合わせが悪いかどうか分からない…」 という方は、一度歯科医院で診てもらいましょう。
噛み合わせの調整や、必要に応じた治療を受けることで、歯ぎしりの原因を根本から解決できる可能性 があります。

歯科検診でできること

  • 噛み合わせのチェック(ズレがないか確認)
  • 必要に応じた治療の提案(矯正や調整)
  • マウスピースの作製(自分に合ったものをオーダー)

歯ぎしりを放置せず、早めに専門家に相談することが大切です!

歯ぎしりの仕方の種類は?どれが一番歯に悪いのか?

歯ぎしり(ブラキシズム)には、大きく分けて 「グラインディング(Grinding)」「タッピング(Tapping)」「クレンチング(Clenching)」 の3種類があります。それぞれの特徴と、歯に与える影響を解説します。

  1. グラインディング
  2. タッビング
  3. クレンチング

1.グライディング  「ギリギリ」歯をこすり合わせる

典型的な歯ぎしりとして、「ギリギリ」という音があります。上下の歯を無意識に擦り合わせることで、大きな音が生じます。歯や顎には大きな負担がかかり、歯が欠けたり、詰め物や被せ物が外れたり、顎関節症を起こすこともあります。

特徴

  • 就寝中に ギリギリと歯をこすり合わせる タイプの歯ぎしり。
  • 家族やパートナーに「歯ぎしりの音がうるさい」と指摘されることが多い。
  • 無意識に数時間続くこともある

大きな音を出すため、家族から指摘されたり、自分の歯ぎしりの音で目覚めることもあります。

歯への影響

🔴 最も歯をすり減らしやすい!
歯のエナメル質が摩耗しやすく、知覚過敏や虫歯のリスクが増加 します。また、歯が薄くなり、割れやすくなる ことも。

リスク

  • 歯のすり減り・知覚過敏
  • 詰め物や被せ物が壊れやすい
  • 顎関節症(あごの痛み、口が開きにくくなる)
  • 肩こり・頭痛を引き起こすことも

2.タッビング  「カチカチ」と噛み合わせる

上下の歯を噛み合わせて「カチカチ」という音を出します。タッピングが起こるのは寝ている間だけでなく、起きている間にも起こります。

特徴

  • 無意識に 上下の歯をカチカチと小刻みに合わせる
  • 音が鳴るので、自分でも気づきやすい。

グライディングよりは音が小さく、歯や顎への力がかかりにくく、負担も少ないです。

歯への影響

🟠 音はするが、影響は比較的少なめ
一度の衝撃は小さいため、グラインディングやクレンチングほど歯にダメージはないものの、 長期間続くと歯に小さなヒビが入り、割れる可能性 があります。

リスク

  • 歯の小さなヒビ(マイクロクラック)ができる
  • 詰め物や被せ物が欠けることがある
  • 軽度の顎関節症のリスク

3.クレンチング 「グッ」と強く噛みしめる

歯を食いしばる感じの歯ぎしりをクレンチングといいます。クレンチングは音がしないため、家族や周囲の人に気づかれることはありません。

特徴

  • 音がしないため、自覚しにくい(無音の歯ぎしり)。
  • 日中に無意識にグッと噛みしめることが多い(デスクワーク中や運転中など)。
  • 寝ている間も、強い力で歯を食いしばる。

眠っている間に無意識で行われますので、力がかかり続けて歯や顎へ大きな負担がかかります。

歯への影響

🔴 瞬間的な負荷が大きく、歯が割れやすい!
歯に強い圧力がかかるため、エナメル質や歯の内部が損傷しやすい。
特に、もともとヒビが入っていた歯や、詰め物・被せ物をしている歯が 割れたり欠けたりするリスクが高い

リスク

  • 歯が割れる・欠ける(クラック)
  • 顎の筋肉が緊張し、頭痛や肩こりを引き起こす
  • 顎関節症になりやすい
  • エナメル質のダメージが進む

結論:「どの歯ぎしりが一番歯に悪いの?」

ケースによって異なりますが、「グラインディング」と「クレンチング」が特に歯に悪影響を与えやすい です。

グラインディング(Grinding) → 歯がすり減り、知覚過敏や虫歯リスクUP 
クレンチング(Clenching) → 歯が割れやすく、顎の負担が大きい
タッピング(Tapping) → 影響は比較的軽いが、長期間続くとヒビが入る可能性

特に 「クレンチング」は音がしないため、自覚しにくく、気づいたときには歯に大きなダメージがあることが多い ので要注意です。

まとめ

歯のキャラクター

今日からできる一歩を!

睡眠時の歯ぎしりは、自覚しにくいクセですが、歯や体に大きな影響を与える可能性があります。
今すぐできる対策として、以下のポイントを実践してみましょう。

歯科医院でマウスピースを作る
リラックス習慣を取り入れ、ストレスを減らす
定期的に歯科検診を受ける

「もしかして…」と思ったら、今日からできること を少しずつ始めてみてくださいね!大切な歯を守るために、一緒にケアを始めましょう

日中に起こる噛みしめや食いしばりは、出来るだけ自分で意識して上下の歯を離しておくようにします。夜間は気をつけることが出来ませんので、マウスガードで歯を守ります。

歯ぎしりの直接的な治療方法はありませんので、ストレスをためないように工夫したり、早寝早起き、アルコールやタバコの摂取量などの生活習慣を見直して、健康で規則正しい生活を心がけましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック