インプラント

インプラント治療の手順をおしえて

インプラント治療の手順をおしえて

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

インプラント治療は最短でも6ヶ月。上顎の場合は1年くらいの期間がかかります。治療や手術の手順やそれぞれの注意点についてご説明します。

インプラントの治療の流れ

1.診察と治療計画

  • 患者さんの全身の健康状態を問診し、ドクターがお口の中の状態を診察します。
  • レントゲン、CT撮影を行い、顎の骨の状態等を記録します。
  • 一人ひとりの患者さんに適した治療計画をたてます。
歯科用CT

2.インプラントの埋入手術

  • 局部麻酔をかけて、インプラントを顎の骨に埋め込みます。
  • インプラントと骨が結合するまで、期間をおきます。
  • 治療期間は、インプラントの種類や、骨の状態、体調などによって異なります。

3.アバットメントの装着

  • インプラント部分の型取りを行います。
  • アバットメントのデザインを選択し、装着します。

4.人工歯の装着

  • 患者さんの歯の形と色に合わせた人工歯(上部構造)を作ります。
  • 人工歯をインプラントの上に取り付けます。

5.定期検診・メンテナンス

  • インプラントを長持ちさせるためには、治療後の定期検診とメンテナンスが重要です。
歯科衛生士メンテナンス

一般的なインプラント治療の流れ

まずカウンセリングです。患者さんは自分の現在の状態を相談したり、医院からインプラント治療に関する説明や費用などの説明があります。またレントゲン撮影などの検査も行います。

次に精密検査を行います。CTを撮影して骨の状態などをしっかり検査します。CT撮影は3D画像を撮影できるので細かな状態がわかり、治療計画を立てるために重要な検査です。

次に一次手術です。この手術ではインプラント体を顎の骨に埋める手術です。手術と聞くと不安になりますが、麻酔にかかっていますし、数時間で終了するので入院も必要ありません。

手術後1~2週間で抜糸をし、その後骨とインプラント体が結合するのを待つ期間で3~6ヶ月ほどです。HAインプラントを使用する場合は骨とインプラント体が結合した後二次手術を行います。二次手術ではインプラント体の上の部分を歯ぐきから出してアバットメントを取り付けます。チタンインプラントを使用する場合には二次手術はありません。

その後上部構造という人工の歯の部分を製作し、装着します。

ここでインプラント治療としてはいったん終了となり、今後は定期的に健診・メンテナンスを受けることになります。インプラントは長持ちさせるためにも術後のメンテナンスが重要です。メンテナンスの内容はPMTC、ブラッシング指導などです。

実際のインプラント手術の手順

実際のインプラント手術の手順をみていきます。

まず麻酔をします。インプラントの手術は少量の局所麻酔で行うことができます。あまり痛くない場所から何回かにわけて麻酔薬を入れていきますが、麻酔が効いたところに麻酔を追加することで、それほど痛みを感じずに麻酔することが出来ます。

日頃から緊張しやすい方、怖がりの方、おう吐反射のある方、また一回の手術での埋入本数の多い方は鎮静麻酔を使用することがあります。鎮静麻酔とは点滴で気分が落ち着く注射をうつことで、これによって軽い居眠りのような状態になり、精神的な苦痛なしに手術を受けることが可能になります。

インプラントは骨に埋め込みますので、まず埋め込む部分の歯肉を剥がさなければなりません。麻酔が効いていますのでこの処置の間は全く痛みを感じることはありません。

次に専用のドリルを使ってインプラントを埋め込む穴を形成します。最近のインプラントは器具が全て規格化されていますので、これらの処置は非常に簡単になっています。

ドリルは3本から6本位を使用します。インプラントと骨の中を通っている神経が近くなる場合は、長さを測るピンを使って処置の途中でレントゲン撮影をして確認します。

インプラントはネジのような形をしており、ドリルで開けた穴の中にインプラントをネジ入れして埋入が完了します。

埋入後はインプラントの周りの歯肉を縫い合わせます。1本のインプラント埋入で2針程度の縫合ですし、もちろん麻酔が効いていますのでご心配には及びません。

インプラント埋入の手順は以上です。こうして書くと処置はとても簡単なものですが、実際に手術を行う歯科医師には熟練が必要です。

インプラント治療のゴールを思い描く

食事中のシニア

これからインプラント治療をされる患者さんは、ほぼすべての方が歯を失ったために噛めないというお悩みをお持ちだと思います。ずっと噛めなくてお困りだった患者さんが、インプラント治療で硬いおせんべいをバリバリと食べることが出来るようになりました。その患者さんがおっしゃるには、インプラントで何でも噛めるようになったことももちろん嬉しいけれど、一番嬉しいのは毎晩熟睡できるようになったことだそうです。

以前はとにかくものが満足に食べられないので精神的にも毎日が鬱々とした状態で、眠ろうとすると歯ぐきの奥の方が痛んで眠れなくなり、毎晩鎮痛剤が手放せず大変ご苦労されていました。一生このような状態が続くのかと諦めの境地で過ごしておられたそうです。

やがてインプラントで治療する決心をされ、インプラントの埋入手術、そして骨としっかり結合したインプラントの上に仮歯が入り、最終的にセラミックのかぶせ物が取り付けられました。

インプラントの治療では手術後は数か月に一度の来院になりますので、来院された時には全体の治療計画を再度お話し、現在はどの辺まで来ているのか、そして治療後の状態、つまりゴールを確認しあいます。数か月にわたる長い治療期間の中で患者さんに元気に過ごしていただくためには、これから先の治療計画とゴールを確認することがとても重要です。

ゴールを確認することで、最終的なセラミックの歯が入る日を心待ちにし、希望をもって毎日を過ごして頂くのです。仮歯の段階でかなり噛めるようになる方もおられますが、最後にセラミックの歯が取り付けられた時の感激はひとしおです。

何でも食べられ、夜も熟睡出来るようになったこの患者さんのように、インプラント治療を通じて健康を取り戻していただくことが、私たちの目標でもあります。

インプラント治療の手順に関するQ&A

インプラントの治療計画の作成にどのような検査が行われますか?

レントゲンやCT撮影を行い、患者さんの顎の骨の状態を確認します。これにより、適した治療計画を立てます。

インプラント埋入手術はどのように行われますか?

局部麻酔をかけて、インプラントを顎の骨に埋め込みます。手術後は骨とインプラントが結合するまで期間を置きます。

インプラント手術後、インプラントと骨が結合するまでに必要な期間はどれくらいですか?

一般的に、インプラントと骨が結合するまでの期間は約3~6ヶ月とされています。ただし、患者の体調や骨の状態により結合までの時間は異なることもあります。

インプラント手術の手術中にどのような麻酔が使用されますか?

主に局部麻酔が使用されますが、緊張しやすい方や手術本数の多い方などは鎮静麻酔を使用することがあります。

定期検診とメンテナンスの重要性は何ですか?

インプラントを長持ちさせるためには、治療後の定期検診とメンテナンスが重要です。これにより、問題が早期に発見・対処され、インプラントの長寿命が保たれます。

まとめ

インプラント治療の手順についてご説明しました。インプラントでしっかりと噛めるようになるにはインプラントが骨と結合するのを待つ期間が必要なため6ヶ月~1年くらいかかります。現在、治療のどの辺りにいるのかを確認することは重要です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック