
朝、歯を磨いていると、ふと歯ブラシに付いた血に気づく。 「また血が出てる…昨日もだったな。」 最初は気にしなかったけれど、最近は歯ぐきが腫れている気がするし、口の中がなんとなくネバつくような…。
そんな経験、ありませんか?
「痛みがないから大丈夫」「そのうち治るはず」 そう思って放っておいたら、実は歯を失う原因になってしまうかもしれません。
歯ぐきの腫れや出血は、もしかすると 歯周病のサイン かもしれません。 そして、そのまま放置すると、最終的には歯がグラグラして抜け落ちてしまうことも…。
でも、安心してください。 こうした歯ぐきのトラブルは 歯周基本治療 をしっかり行うことで改善できる可能性が高いのです。
「歯周基本治療」とは、一体どんなものなのでしょうか? この記事では、その内容と大切さについて、分かりやすくお伝えしていきます。
あなたの大切な歯を守るために、まずは「歯周病のケア」の第一歩を知ることから始めましょう!
歯周病とは?
そもそも歯周病とは何でしょうか?
歯周病は、歯と歯ぐきの間にたまったプラーク(細菌の塊)によって歯ぐきが炎症を起こし、進行すると歯を支える骨まで溶かしてしまう病気です。放っておくと、最終的には歯が抜け落ちることもあります。
歯周病の進行と症状
歯周病は静かに進行し、初期段階では自覚症状がほとんどありません。以下のような段階を経て、徐々に悪化していきます。
- 軽度 → 歯ぐきが赤く腫れる、歯みがきのときに出血する。
- 中度 → 歯ぐきが下がり、歯が長く見える。歯がグラつき始める。
- 重度 → 歯を支える骨が溶け、最終的には歯が抜けてしまう。
もし、こうした症状がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
歯周基本治療とは?
歯周基本治療とは、歯周病の患者さんに行う基本的な治療のことをいいます。歯周病にかかってない人には歯周基本治療は必要ないと思われるかもしれませんが、日本人の成人の8割の方が何らかの歯周病の症状があるとされており、虫歯で来院される患者さんも、かなりの確率で歯周病にかかっています。
歯周病の進行を防ぐために行うのが「歯周基本治療」です。主に以下のような治療が行われます。
- スケーリング
→ 歯ぐきの周囲や歯と歯の間に付着したプラークや歯石を、専用の器具を使って除去します。これにより、細菌の温床を取り除き、炎症の軽減を図ります。
- ルートプレーニング
→ 歯の根の表面を滑らかにし、細菌の付着を防ぎます。これにより、歯ぐきが引き締まり、歯周ポケットが浅くなることで歯周病の進行を抑えることができます。
- 歯みがき指導
→ 正しい歯みがきの方法や歯間ブラシ・デンタルフロスの使い方を指導し、自宅でもしっかりケアできるようにします。
- 生活習慣の見直し
→ 歯周病は生活習慣とも深く関係しています。喫煙は歯ぐきの血流を悪化させ、歯周病を悪化させるため禁煙が推奨されます。また、糖分の多い食事は細菌の繁殖を促すため、バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。
これらの治療を組み合わせることで、歯周病の進行を食い止め、健康な口腔環境を取り戻すことができます。
多くの方が歯周病のリスクにさらされていますので、歯の治療において、現在重要度が一番高いのが歯周基本治療だといわれます。虫歯も歯周病も生活習慣を変えないと完治させることは難しく、悪い生活習慣があるために虫歯が多かったり、歯周病にかかっていたりということが考えられます。
その中でも毎日のセルフケアを正しく行うことが基本となります。
歯周基本治療での歯科衛生士からの質問
- 何を食べていますか?
- 食事の時間は規則正しいですか?
- 間食の頻度はどのくらいですか?
- 毎日どんなふうに歯を磨いていますか?
↓
患者さんの生活の中から歯周病の原因を見つけ出す
歯周基本治療前の検査
歯周病の検査についてご説明します。
- プロービング
- レントゲン写真撮影
- 口腔内写真撮影
- カウンセリング
1.プロービング

歯周病の進行具合は歯周ポケットの深さを目安にして判断されます。歯周ポケットの深さは、プローブと呼ばれる専用の機具で歯科衛生士が歯を1本1本手で測っていきます。
プローブは金属製の先が細くなった器具で、先端には目盛りがついています。先端部を歯ぐきと歯の間に差し込んで歯周ポケットの深さを手で測るので、患者さんは歯茎にチクチクとした痛みを感じることもあります。
1本の歯に付き歯の周囲の6ヶ所の歯肉にプローブを挿入して歯周ポケットの深さを調べます。歯周ポケットの深さにより歯周病の進行度を評価します。
プロービングを行う際には、歯茎からの出血や膿も調べます。歯周病の目安としては、歯周ポケットの深さが1~3mmの場合は健康な歯肉、4mmは初期歯周病、5~6mmは中程度歯周病、7mm以上は重度歯周病と評価されます。
2.レントゲン写真撮影
歯周病によって歯茎の骨が溶け始めると、歯がグラグラし出します。骨がどのくらい減ってしまっているのかを知るために、レントゲン写真を撮影します。
3.口腔内写真撮影
歯茎の色や腫れの状態、歯垢や歯石がどの程度付着しているのか、お口の中を写真撮影して記録に残します。治療前と治療後の写真を見比べることで歯周基本治療の効果を確認することが出来ます。
4.カウンセリング
歯科衛生士が患者さんに検査の結果をご説明し、カウンセリングを行います。現在のお口の状態になっている理由や改善点について話し合います。
歯周病を予防するためにできること
歯周病を防ぐためには、日々のケアが重要です。次のような習慣を取り入れましょう。
- 正しい歯みがきを実践する → 柔らかめの歯ブラシを使い、歯ぐきを傷つけないように優しくブラッシング。
- デンタルフロスや歯間ブラシを活用する: → 歯と歯の間の汚れをしっかり除去。
- 定期的な歯科検診を受ける → 早期発見・早期治療が大切。
- バランスの取れた食生活を心がける → 糖分の摂取を控え、ビタミンCやカルシウムを意識的に摂る。
- 禁煙する → 喫煙は歯周病を悪化させる大きな要因。
歯周病は静かに進行し、気づいたときには手遅れになることもあります。しかし、正しいケアを行えば予防・改善が可能です!
まずは、今日からできることを実践してみましょう。
「最近、歯ぐきが腫れているかも…?」 「歯みがきのときに血が出る…」
そんな不安があれば、一度歯科医院でチェックを受けることをおすすめします。あなたの大切な歯を守るために、今日から歯周病予防を始めてみませんか?
まとめ

歯周病はごく軽度の場合は歯みがきを丁寧に行うことで改善しますが、それ以外では殆どの場合、徐々に進行していきます。歯周病の進行を止めて歯茎の状態を改善させるために、歯周基本治療を行います。歯周基本治療は歯科衛生士が担当し、患者さんと二人三脚で歯周病の治療や予防を進めていきます。
歯周基本治療に取り組んでいくことで歯茎の状態は改善に向かいます。しかし大切なのは毎日のセルフケアでどれだけ歯垢をきれいに落とし、お口の中を清潔な状態に保てるかです。歯磨きなどのセルフケアと歯科医院での定期健診(クリーニング)で、健康な歯茎を維持しましょう。