前歯が大きいくて気になる場合はどうすれば良いのでしょうか。前歯の大きさを変える治療法についてご紹介します。
前歯の大きさはどうすれば治療できる?
前歯の大きさの治療法についてご説明します。
前歯が平均よりも大きい場合→歯を僅かに削るか、セラミックを被せる
歯が平均値よりも大きく気になる方は、歯を削る審美治療が最適です。エナメル質の層の厚さは個人差がありますが、約2~3㎜くらいです。歯の先端の部分を少量(0.5mm程度)削ることは可能でしょう。但し、痛みが出た場合は神経の治療が必要となり、その後セラミックの被せ物をかぶせます。
相対的に前歯が大きく見える場合→矯正治療
歯並びがデコボコしていて隣の歯が後ろに引っ込んで小さく見え、相対的に前歯が大きく見えている場合があります。悪い歯並びを不正咬合と呼びますが、デコボコの歯並びも不正咬合の一種です。
後方へ引っ込んでいる歯が一部の場合は部分矯正で部分的な治療を行います。噛み合わせも含めて全体を矯正する場合は全体矯正になります。
前歯はどこの歯を指す?
まず、前歯とはどの位置の歯を指すかについてご案内します。歯科医院では歯を1~8番と番号で呼ぶことが多いです。
- お口の真ん中にある最も目立つ歯が中切歯(1番)
- 中切歯に隣接している歯を側切歯(2番)
- 側切歯に隣接している歯を犬歯(3番・糸切り歯)
この1~3番までの左右6本が一般的に前歯と言われます。専門的には前歯部と呼ばれます。
ちなみに4~8番までの小臼歯から大臼歯までの歯は臼歯部と呼びます。
前歯が大きいのには理由がある
前歯がどうして大きいのか、理由を考えた場合、このいずれかに該当するケースが多いです。
- 前歯が平均よりも大きい
- 相対的に前歯が大きく見える
いずれに該当するかという点と、患者様の口腔内の状態を確認することが大事です。
前歯が平均よりも大きい
日本人の前歯(中切歯)の横幅の大きさは下記の通りです。
- 男性の平均 8.6ミリ
- 女性の平均 8.5ミリ
その値に比べて歯の幅が大きい場合は、前歯が他の人と比べて大きいと言えます。
相対的に前歯が大きく見える
ただ、歯の大きさが平均値もしくは平均よりも下回っている方はこのケースです。中切歯と呼ばれる真ん中の歯が問題ではない場合が多いです。
- 側切歯か犬歯が小さい
- 側切歯か犬歯が後方へ引っ込んでいる
- 出っ歯(上顎前突)である
- 歯ぎしりや加齢により歯肉退縮している
このような原因により、前歯が小さく見えると考えられます。
前歯が大きいのはどうすれば良いに関するQ&A
前歯の大きさを調整する方法には主に二つあります。一つは、歯が平均値よりも物理的に大きい場合、歯を僅かに削る審美治療を行います。この場合、歯のエナメル質を0.5mm程度削ることが可能ですが、痛みが出た場合はさらなる治療が必要になることがあります。もう一つの方法は、歯並びの問題により前歯が大きく見える場合に行われる矯正治療です。ここでは、歯並びを整えることで前歯の見た目の大きさを調整します。
前歯が大きく見える原因は、実際に前歯が平均よりも大きい場合と、相対的に大きく見える場合の二つがあります。実際に大きい場合は、平均値(男性は約8.6mm、女性は約8.5mm)よりも前歯の幅が大きい場合です。相対的に大きく見える場合は、周囲の歯(特に側切歯や犬歯)が小さい、後方に引っ込んでいる、出っ歯である、または歯ぎしりや加齢により歯肉が退縮しているなどの理由で、前歯が目立って見える状態を指します。
前歯を削る治療を行う際、注意すべき点はいくつかあります。まず、削る量に注意が必要です。エナメル質は約2~3mmの厚さがあるため、0.5mm程度を削ることは可能ですが、それ以上削ると歯の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。また、削った後の痛みにも注意が必要で、痛みが出た場合は神経治療が必要になることがあります。治療後は、セラミックなどの被せ物を使用して、削った部分を保護し、見た目を改善します。
まとめ
前歯が大きいけどどうすれば治療ができるのかというのは一概に言えません。患者様の口腔内の状態を歯科医師が診断し、治療計画を提案します。前歯の大きさが気になっている方は、一度かかりつけの歯医者さんで相談するか、審美歯科や矯正歯科を行っている歯科医院でカウンセリングを受診することが大切です。
前歯が大きい場合の治療選択肢には、いくつかの方法があります。ただし、これらの治療は個々の患者のニーズや状況に応じて異なるため、専門家による評価と個別の治療計画が必要です。
1. 審美的治療
前歯の外傷を受けた患者の審美的治療に関する症例報告では、歯根管治療後に冠長延長術とカスタマイズされた繊維補強ポストおよびオールセラミック冠を使用することで、外傷を受けた前歯を審美的に回復することができることが示されています。 【Pramudita et al., 2021】
2. 装着型矯正装置
別のケースレポートでは、上顎前方の歯の前方に位置する症例に対して、非抜歯治療アプローチを用いて、上顎大臼歯の遠心化に続いて固定メカノセラピーを実施したことが報告されています。 【Jadhav et al., 2021】
これらの研究から、前歯が大きい場合には、審美的治療や装着型矯正装置など、複数の治療方法が考えられることが分かります。これらの方法は、歯の大きさや位置を改善し、患者の審美的なニーズに応じて調整することが可能です。ただし、治療の選択は個々の症例によって異なるため、専門家の診断と個別の治療計画のもとで行うことが重要です。