虫歯菌が全く口腔内におらず、虫歯になったことがない人は稀におられます。虫歯菌がいない=虫歯にならない人の特徴をご説明します。
虫歯菌がいない人はいる?
虫歯という病気は細菌による感染症です。つまり、ミュータンスレンサ球菌などの虫歯菌に全く感染しなければ、虫歯になることはありません。食後にフッ素の歯磨き粉で丁寧に磨いても、虫歯菌をお持ちならば虫歯になる可能性があり、また虫歯になった患者様の口腔内からは間違いなく虫歯菌が検出されます。
一方で、虫歯菌をそもそも保有していない人は、感染しないということになります。それ程丁寧ではない歯磨きで、時々歯磨きをサボっても、虫歯になりません。
虫歯にならない人はこんな特徴がある
お口の中に虫歯菌がいても、虫歯にならない人がいます。では、虫歯にならない人にはどのような特徴があるのでしょうか。
1. 歯質が強い
歯の表面には、エナメル質が存在します。人体組織の中でもかなり硬いため、固い食べ物を噛むことが可能です。ただ、エナメル質は酸に弱く、虫歯菌が排出する酸にエナメル質が溶けてしまうことが虫歯の始まりです。
●乳歯の歯質⇒妊娠3~4ヶ月頃
●永久歯の歯質⇒乳幼児期から小学校低学年頃
歯質を形成する時期に、歯の形成成分であるカルシウムをしっかり摂取していれば、歯質を強くすることができます。
2. 唾液の分泌量が多い
唾液には、虫歯菌など口腔内の菌を殺菌する自浄作用があります。殺菌作用が強い唾液になるためには、日常生活において唾液の分泌量が多い人が当てはまります。唾液の分泌量が多い人は、口呼吸を行わず、しっかりと食べ物を咀嚼する傾向にあります。
虫歯菌がいる場合どのような対処?
既に口腔内に虫歯菌がいる場合は、どのような対処を行えば良いでしょうか。
虫歯になりにくい口腔内にするには、歯磨き以外にも他にできることがあります。それは、唾液の分泌量を増やすことです。歯質を強くすることは限られた時間のみしかできませんが、唾液に関しては改善できます。
●口呼吸の方は口呼吸を止めて鼻呼吸をする
●食べ物をしっかり噛んで飲み込むようにする
虫歯菌を保有する人は、口腔内に虫歯菌をこれ以上増殖させないことが大切です。食後の歯磨き、特に寝る前の歯磨きは念入りに行いましょう。
虫歯菌がいない人の特徴に関するQ&A
唾液は口腔内を洗浄し、食物残渣や細菌を流し出す役割があります。また、唾液には酸性度を中和し、歯を再石灰化するためのカルシウムやリン酸塩を含むことで、虫歯菌の活動を抑える働きもあります。
乳歯の歯質は妊娠3~4ヶ月頃に、永久歯の歯質は乳幼児期から小学校低学年頃に形成されます。この時期にしっかりとカルシウムを摂取することが歯質を強くするために重要です。
カルシウムは歯の主要な構成成分であり、歯の硬度と耐久性を高める役割があります。カルシウムを十分に摂取すると、エナメル質が強化され、酸による侵食や虫歯のリスクが低減します。
フッ素はエナメル質を強化し、酸による侵食に対する抵抗力を高める役割があります。また、フッ素は虫歯菌の代謝を阻害し、新たな虫歯の形成を防ぐ働きもあります。
虫歯にならない人の特徴としては、歯質が強いことと、唾液の分泌量が多いことが挙げられます。強い歯質はカルシウムの摂取により、また唾液の多さは食物の丁寧な咀嚼と鼻呼吸により得られます。
まとめ
お口の健康のためには、全く虫歯菌のない状態が良いです。ただ、虫歯菌を保有している方も、増殖させないようにケアを行えば、虫歯を防げます。歯や歯肉の状態がきちんとクリーニングできているかどうか状態を確認するためにも、歯科医院で定期健診を行う事をおすすめします。