虫歯

虫歯で目の下が痛くなることはありますか?

虫歯で目の下が痛いってありますか?

ある朝、目の下に鈍い痛みを感じながら目を覚ましたあなた。「寝不足かな?」「スマホの見すぎ?」と軽く考えていたけれど、時間が経つにつれズキズキと増す違和感。やがて食事をするとさらに痛みが広がり、「もしかして…これ、虫歯?」と、不安が頭をよぎる。

「目の下が痛いのに、原因は歯…?」そんな風に感じたことはありませんか?

実は、虫歯や歯のトラブルが、思いもよらない場所に痛みを引き起こすことがあるのです。まさに「痛みのいたちごっこ」のように、原因と症状が離れていることも珍しくありません。

「でも、どうして歯の痛みが目の下にまで影響するの?」
「放っておくとどうなるの?」

そんな疑問を解消しながら、あなたの痛みの正体についてご説明します。

なぜ虫歯が目の下に影響するのか?

① 三叉神経(さんさしんけい)の関係

歯と目の周りの神経は無関係のように思えますが、実は 「三叉神経(さんさしんけい)」 という大きな神経を通じて密接につながっています。

三叉神経は、顔の感覚を司る重要な神経で、以下の3つの枝に分かれています。

  1. 眼神経(上部) → 額や目の周囲を担当
  2. 上顎神経(中部) → 頬、上の歯、鼻の周囲を担当
  3. 下顎神経(下部) → 下の歯、顎、耳の周囲を担当

このうち 上顎神経は、上の歯や頬、そして目の下にもつながっているため、虫歯の痛みが目の下に広がることがある のです。

② 虫歯や歯の炎症が影響するケース

虫歯が神経に近い部分まで進行すると、炎症が 三叉神経を介して痛みを広げる ことがあります。特に以下のような状態では、目の下に痛みが出やすくなります。

  • 上の奥歯の虫歯 → 三叉神経を通じて目の下に痛みが伝わる
  • 歯の根の炎症(根尖性歯周炎) → 歯の根の先に膿がたまり、周囲の神経に影響
  • 副鼻腔炎(蓄膿症)と関連する炎症 → 副鼻腔の近くにある歯の感染が鼻や目の下の痛みを引き起こす

虫歯で目の下や他の部分が痛い理由

目の下が痛い、もしくは重いけど他の診療科で異常のない方は、虫歯を放置しすぎて対処していない可能性があります。上顎の歯が虫歯になると、目や顔面の神経に近いため影響を受けやすく、エナメル質が溶けて虫歯を放っておくと内側にある象牙質や神経(歯髄)まで深く進行します。

細菌が上顎洞へ広がる歯性上顎洞炎になっている

虫歯菌が歯の根(歯根)に嚢胞という巣を作ってしまう状態になると、歯根から鼻の横にある空洞の上顎洞(じょうがくどう)に細菌は広がります。歯性上顎洞炎を発症すると溜まった膿により片側の鼻から色のついた鼻水が出たり、頭が重く感じたり、目の周りに痛みを感じることがあります。

歯のサイズが変わり歯並びの悪さで痛みを感じる

虫歯になった歯はエナメル質が溶けて小さくなります。歯のサイズが変われば今まで隣接していた他の歯ときちんと並ばず、歯が動いて歯並びが変わったまま食事を行います。噛み合わせが悪い状態で咀嚼を続けると、特定の歯への負担や、筋肉、顎関節に左右差が生じます。その状態が長く続けばめまいや耳鳴りなどの症状が起きるリスクもあります。

重度の虫歯になると歯は抜け、膿が出て口臭が強くなります。その状態でもなお放置していると他の歯も細菌の進行により抜けてしまったり、全身に細菌が回ると心筋梗塞などにつながるリスクがあるため、注意が必要です。

どんな症状が出たら注意すべき?

目の下の痛みが 歯から来ている可能性があるかどうか を判断するために、以下の症状をチェックしてみましょう。

歯がしみる、ズキズキ痛む
冷たいもの・熱いものがしみる
噛むと痛みが悪化する
頬やこめかみ、こめかみまで痛む
痛み止めを飲んでもすぐにまた痛くなる

これらの症状が 1つでも当てはまる場合、虫歯や歯の炎症が原因の可能性が高い ので、歯科受診をおすすめします。

放置するとどうなる?

「ちょっと痛いけど、我慢すれば大丈夫…」と 放置すると、思わぬトラブルを引き起こすことも あります。

① 炎症が悪化し、顔全体が腫れることも

虫歯が神経まで進行すると 膿がたまり、痛みが激しくなる ことがあります。さらに炎症が広がると、頬や目の下が腫れてしまうことも。

② 副鼻腔炎(蓄膿症)を引き起こすことも

特に 上の奥歯 の炎症が副鼻腔に波及すると、鼻づまりや頭痛、目の奥の違和感といった 副鼻腔炎(蓄膿症) の症状が出ることもあります。

③ 痛みが慢性化し、日常生活に影響

歯の痛みが慢性化すると、 集中力が落ちたり、食事がしづらくなったり して生活の質が大きく低下します。

どうすれば治る?

① 歯科での治療が最優先!

もし 虫歯や歯の炎症が原因である場合、歯科で適切な治療を受けることが最も効果的 です。

  • 軽度の虫歯 → 詰め物で治療
  • 神経に達した虫歯 → 根管治療(歯の神経の治療)
  • 歯の根に膿がたまった場合 → 抗生物質+根管治療 or 抜歯

② 自宅でできる痛みの緩和方法

今すぐ歯医者に行けない場合、以下の方法で 一時的に痛みを和らげる ことができます。

痛む側を冷やす(氷水を含んだり、保冷剤をタオルで巻いて頬に当てる)
鎮痛剤を服用する(市販のロキソニンやイブプロフェンなど)
刺激物を避ける(熱いもの・冷たいもの・甘いものはNG)

ただし、 痛みが引いても根本的な原因は解決していないため、必ず歯科を受診しましょう!

痛い場合は早めに対処

  • 歯に違和感がある
  • 目の下の片側が痛い

このような症状がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。症状や痛みをお伺いし、精密検査をして適切な処置を歯科医師が行います。虫歯ではなく、歯周病が原因であるというケースもあります。

片側のしびれや言葉に影響がある

  • 片側の手足だけが痛い・しびれる
  • 片方の目がかすむ
  • 急に言葉が話せなくなる

体の痛みやしびれに左右の差がはっきりとしていて、言葉が急に話せない場合は、歯が原因と考えづらいです。脳神経を専門とする医院を受診してください。

虫歯はどうすれば早く見つかる?

虫歯や痛みなどにならない歯周組織とは、すなわち健康な歯周組織です。健康な歯や歯肉を維持するために大切なことは、歯科医院へ定期的に通院してメンテナンスの受診です。定期検診では患者さんのお口の状態を確認してから溜まった歯垢や歯石をクリーニングで除去し、歯質の強度のためにフッ素塗布を行います。

定期的なメンテナンスは予防に通じる

患者さん自身が丁寧な歯磨きを行えば歯垢は取り除くことができますが、奥歯は難しいなど位置の問題もあります。歯垢が唾液の成分と結合して歯周ポケットに沈着する歯石になれば、資格を持った歯科衛生士しか取り除けません。

歯石は虫歯や歯周病の原因になりますので、定期的にクリーニングをする必要があります。虫歯になりかけの段階である初期むし歯で指導を受ければ、歯を削り詰め物や被せ物をしなくても、タフトブラシやフロスを使った歯磨きと唾液による自浄作用で再石灰化することが可能です。

まとめ

目の下が痛いと「疲れかな?」と思いがちですが、 虫歯や歯の炎症が原因になっていることもある ので注意が必要です。

三叉神経を通じて、歯の痛みが目の下や頬に広がることがある
虫歯・歯の根の炎症・噛み合わせの問題が影響する
放置すると副鼻腔炎や顔の腫れにつながることも
歯医者で適切な治療を受けることが大切!

「たかが虫歯」と甘く見ずに、 早めの受診が健康を守る第一歩 です。気になる症状がある方は、ぜひ歯科医院に相談してくださいね!

歯の違和感があり、目の下が痛い、もしくは重いという症状が出ていると、原因が虫歯であるケースもあります。痛みや違和感の続く方はなるべく早めにクリニックを受診をしましょう。症状やお悩みを相談して精密検査を受けることをおすすめします。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック