歯と口の基礎知識

咬合とは?咬合はなぜ大切なの?

咬合とは?咬合はなぜ大切なの?

例えば、朝のパンをかじった瞬間、何となく左右どちらかに力が偏っている気がする。 あるいは、奥歯がしっかり噛み合わず、無意識のうちに片側だけで噛むクセがついている…。そんな違和感を放っておくと、実は歯だけでなく、頭痛や肩こり、さらには全身の不調につながることがあるのです。

「たかが噛み合わせで、そんなに影響があるの?」と思うかもしれません。しかし、噛み合わせ(=咬合)は、歯科の世界では「体の土台」とも呼ばれるほど重要な要素。家の基礎が歪んでいると建物全体が傾いてしまうように、噛み合わせが崩れると、体全体のバランスが乱れてしまうのです。

「気づかぬうちに、あなたの体も悲鳴を上げているかもしれません。」

では、具体的にどのような影響があるのか? そして、健康的な咬合を保つにはどうすればいいのか?ご説明していきます。

咬合とは?

咬合とは、上下の歯が噛み合う状態を指します。正しい噛み合わせが整っていると、食事がしやすいだけでなく、発音や顔のバランスも整い、健康的な生活を送ることができます。

正常な咬合と異常な咬合

健康な噛み合わせでは、上下の歯がバランスよく接触し、食べ物を均等に噛み砕くことができます。しかし、咬合が乱れるとさまざまな問題が発生します。

悪い咬合の種類

  • 開咬(かいこう):前歯が噛み合わず、食べ物を前歯で噛み切れない。
  • 交叉咬合(こうさこうごう):上下の歯が正しく噛み合わず、左右にずれている。
  • 過蓋咬合(かがいこうごう):上の歯が下の歯を覆いすぎる。

なぜ咬合が乱れるのか?

  • 遺伝的要因:歯並びや顎の形は、ある程度遺伝の影響を受けます。
  • 生活習慣:片側だけで噛む癖、頬杖をつく、歯ぎしりをするなどの日常習慣が影響します。
  • 歯の喪失:抜歯後に適切な治療をしないと、周囲の歯が動いて噛み合わせが崩れることがあります。

咬合とは、上の歯と下の歯がどのように噛み合っているかを指します。これが正しくないと、食事の時に食べ物をちゃんと噛み砕けないだけでなく、顎の関節や筋肉に負担がかかり、頭痛や顎の痛みの原因となることもあります。

咬合が異常の場合どんなリスクがあるの?

咬合が乱れて噛み合わせが悪い状態では、以下のようなリスクがあります。

1. 顎関節症のリスクが上がる

咬合のズレによって顎関節に力がかかると、顎関節症を発症する可能性があります。

2. 歯が摩耗で擦り減ることがある

歯の一部だけが強く接触するような咬合の場合、その部分だけ摩耗が早まり、歯の寿命を短くする可能性があります。

3. 咀嚼がうまく出来ない

正しい咬合ではない場合、食べ物を左右バランスよく噛むことが難しいことがあります。咬合力(噛む力)がうまく働かず、良く噛まずに飲み込むことになるため、胃腸への悪影響のリスクがあります。

4. 歯を傷めたり破損するリスク

バランスの悪い咬合は一部の歯に過度な力が加わり、その結果歯が割れたり折れたりするリスクがあります。

5. 歯周病のリスク

歯が混みあっていたり重なっていたりして、歯みがきやフロスの使用が困難な場合、歯垢がたまったままになる可能性があり、歯周病のリスクを高めます。

6. 顔のシルエットや容貌への影響

食事の際に片側でばかり噛んでいると、少しずつお口の周囲や顔の表情を作る筋肉に影響が出て、顔が非対称になる場合があります。

咬合が悪い場合の全身への影響

歯や顎への影響

  • 虫歯や歯周病のリスク増加:噛み合わせが悪いと、特定の歯に負担がかかりやすくなり、トラブルが発生しやすくなります。
  • 顎関節症:顎がカクカク鳴る、口が開きにくい、痛みが出るなどの症状が現れます。

全身への影響

  • 頭痛・肩こり・腰痛:噛み合わせのずれが姿勢の悪化を引き起こし、筋肉の緊張を高めます。
  • 消化不良:しっかり噛めないと、胃腸に負担がかかり、消化吸収が悪くなります。
  • 睡眠の質の低下:歯ぎしりや食いしばりがあると、無意識のうちに睡眠が浅くなります。

咬合の調整はどのように行うの?

咬合の調整とは、噛み合わせを正しくするための治療や処置のことをいいます。咬合を調整する主な方法は以下のようなものです。いずれも治療前には専門家による検査が必要です。

1. 歯の研磨による高さの調整

歯の高さの違いによって咬合が乱れている場合は、歯の高い部分や不要な部分を削って、噛み合わせを良くします。

2. 補綴物(詰め物・被せ物)の調整

詰め物や被せ物が合っていない場合は、それらを新しく作り直す場合もあります。

3. 歯列矯正

歯の位置が悪いために咬合が乱れている場合は、歯を動かしてきれいな歯列に整える為の矯正治療を行います。不正咬合の度合いによっては歯に矯正装置をつける前に小臼歯の抜歯を行うこともあり、1~2年の治療期間がかかる場合があります。

4. 外科手術

手術によって顎の骨に直接アプローチすることで噛み合わせを良くする方法です。

咬合の調整は、患者さんの症状や咬合が乱れている原因によって、どの方法が最適かが決まります。正しい噛み合わせはを得ることは、歯だけでなく全身の健康や生活の質の向上にも繋がります。

良い咬合を保つためにできること

セルフチェック方法

  • 鏡の前で「イー」と言って、歯並びが左右対称か確認する。
  • 食事中に、どちらの歯で噛んでいるか意識する。
  • 口を大きく開け閉めしたときに、違和感や痛みがないかチェックする。

改善方法

  • 矯正治療:歯列矯正で噛み合わせを整える(子ども・大人ともに可能)。
  • ナイトガードの使用:歯ぎしりによる負担を軽減。
  • 生活習慣の見直し:正しい姿勢を意識し、食事の際は左右均等に噛むよう心がける。

歯科医院での定期チェックの重要性

  • 早期発見・早期治療で、大きな問題を未然に防ぐことができる。
  • 専門家の視点で、自分に合ったアドバイスをもらえる。

まとめ

咬合(噛み合わせ)とは上下の歯が接触する状態のことで、咬合がずれていると様々な弊害が起こります。咬合がずれている場合は、まず原因を特定し、治療方法を決定します。

噛み合わせは歯のほんの少しのバランスの変化で狂ってしまうことがあり、顎関節症を引き起こすと口が開けづらい、口を大きく開けると顎関節が痛いなどの症状が出ますので、心当たりのある方は歯科医院にご相談ください。

咬合は単なる歯並びの問題ではなく、全身の健康に関わる重要な要素です。「なんとなく違和感がある…」と感じたら、それはあなたの体が発するSOSかもしれません。

「最近、肩こりや頭痛が気になる」「よく噛みづらさを感じる」——そんな方は、一度歯科医院でチェックを受けてみてはいかがでしょうか?

健康的な咬合を保つことは、あなたの未来の健康を守る大切な第一歩です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック