
インビザラインは飲み物の影響を受けやすく、飲み方によってはアライナーの着色が進んでしまうことがあります。しかし、適切な対策を取れば、着色を最小限に抑えることが可能です。インビザラインが着色する理由や避けるべき飲み物、透明感を保つための対策をご説明します。
インビザラインは着色するの?その理由とは

インビザラインは透明なマウスピース型矯正装置のため、「着色しやすいのでは?」と不安に思われる患者さんも多いのではないでしょうか。実は、その通りで、インビザラインは飲み物によって着色する可能性があります。
その主な理由は以下の3つです。
- 素材の特性 → インビザラインはプラスチック素材(ポリウレタン樹脂)でできており、長時間色の濃い飲み物に触れると染まりやすくなります。
- 飲み物の酸性度 → コーヒーや紅茶、炭酸飲料などは酸性度が高く、マウスピースの表面をわずかに傷つけ、そこに色素が入り込みやすくなります。
- 装着したまま飲むことで染み込む → インビザラインを装着したまま色の濃い飲み物を飲むと、マウスピースの内側にも色素が入り込み、着色が進みます。
1. 素材の特性
インビザラインのアライナーは、ポリウレタン樹脂という特殊なプラスチック素材で作られています。この素材は透明で目立ちにくいというメリットがありますが、色素を吸収しやすい性質も持っています。特に、コーヒーや紅茶、赤ワインなど色の濃い飲み物に長時間さらされると、色素がアライナーに沈着してしまいます。
また、ポリウレタン樹脂は微細な傷がつきやすく、その傷に色素が入り込むことで着色が進行することもあります。飲み物だけでなく、歯磨きを怠ると歯垢が付着し、それが変色してアライナーの透明感を損なう原因にもなります。
2. 飲み物の酸性度による影響
飲み物の多くは酸性の性質を持っており、酸がアライナーの表面をわずかに溶かしてしまうことがあります。特に、炭酸飲料やジュース、ワインなどは酸性度が高く、アライナーの表面を劣化させる可能性があります。
- 酸性の飲み物によってアライナーの表面が荒れると、そこに色素が入り込みやすくなる。
- 酸で傷ついたアライナーは、ツヤがなくなり、くすんで見えることがある。
このように、酸性の飲み物は直接的な着色だけでなく、アライナーの劣化を早める原因にもなるため、注意が必要です。
3. アライナーを装着したまま飲むことによる影響
インビザラインの治療中は1日20〜22時間の装着が推奨されているため、装着したまま飲み物を口にする機会も多いかもしれません。しかし、装着したまま色の濃い飲み物を飲むと、アライナーと歯の間に飲み物が入り込み、色素が沈着しやすくなります。
また、以下のような影響も考えられます。
アライナー内に飲み物が溜まり、着色が促進される
例えば、紅茶やコーヒーを飲んだ後にアライナー内に残った液体が停滞すると、通常よりも長くアライナーの表面が色素にさらされることになります。
アライナーが密閉されているため、着色が取れにくい
歯に密着しているアライナーの内部に色素が入り込むと、普通のうがいでは洗い流せず、着色が進んでしまうことがあります。
4. こまめな洗浄をしないことによる着色
インビザラインのアライナーは毎日こまめに洗浄することが推奨されています。しかし、適切なケアを怠ると、次第に汚れが蓄積し、着色の原因となります。
- 歯磨きやアライナーの洗浄を怠ると、歯垢や食べかすがアライナーに付着し、変色の原因になる。
- 水洗いだけでは十分な汚れ除去ができず、細かな隙間に色素が沈着する可能性がある。
- 専用の洗浄剤を使わずに放置すると、徐々に透明感が失われる。
特に、アライナーは長時間使用するものではなく、基本的に2週間ごとに新しいものに交換するため、多少の着色が起きても気にしすぎる必要はありません。しかし、日常的にケアを怠ると、短期間でも目立つ黄ばみが発生することがあります。
着色しやすい飲み物とは?避けるべき飲み物リスト

インビザラインの透明感を保つためには、どの飲み物が着色の原因になりやすいのかを知り、適切に対策を取ることが大切です。インビザラインが着色しやすい飲み物には、以下のようなものがあります。
- コーヒー・紅茶 → タンニンという色素が含まれており、マウスピースの表面に定着しやすい。
- 赤ワイン・白ワイン → 赤ワインはもちろんのこと、白ワインにも酸が含まれており、マウスピースの表面を劣化させ、着色しやすくする。
- ジュース(特にオレンジジュース・ぶどうジュース) → フルーツ由来の酸がマウスピースの表面を溶かし、着色の原因に。
- 炭酸飲料(コーラ・エナジードリンクなど) → 着色料が多く含まれ、マウスピースに色素が吸収されるリスクがある。
- 抹茶・緑茶 → 一見無害に思えるが、カテキンがマウスピースの表面に付着しやすい。
こうした飲み物は、インビザラインを装着したまま飲むと、わずか数日でマウスピースが黄ばんでくることもあります。特に、毎日飲む習慣のある方は注意が必要です。
着色を防ぐための対策方法
インビザラインの着色を防ぐには、以下の対策が効果的です。
- 飲み物を飲む前にマウスピースを外す → 着色しやすい飲み物を飲む場合は、必ずマウスピースを外す。
- 飲んだ後はすぐにうがいをする → 口内に残った色素を洗い流すことで、マウスピースが汚れにくくなる。
- ストローを使用する → ストローを使うことで、マウスピースに直接飲み物が触れるのを防ぐ。
- インビザラインをこまめに洗浄する → 着色の予防には、毎日の清掃が重要。ぬるま湯と専用の洗浄剤を使って洗うと効果的。
こうした対策を習慣化することで、インビザラインの透明感を維持し、美しい歯並びをキープしながら矯正治療を進めることができます。
着色してしまった場合の対処法
もしインビザラインが着色してしまった場合、以下の方法を試してみてください。
- 専用の洗浄剤で浸け置きする → インビザライン専用の洗浄剤に浸けて、色素を落とす。
- 超音波洗浄機を活用する → 細かい汚れを除去し、透明感を取り戻せる。
- 新しいマウスピースに交換する → インビザラインは2週間程度で交換するため、どうしても着色が取れない場合は、次のマウスピースまで待つのも一つの方法。
完全に着色を防ぐのは難しいですが、こまめなケアをすることで、ある程度防ぐことが可能です。
インビザライン中でも安心して飲める飲み物
着色が気になる患者さんは、以下のような飲み物を選ぶと安心です。
- 水(常温・冷水・炭酸水) → どれだけ飲んでも着色しないため、最もおすすめ。
- 無色透明なハーブティー → カフェインレスで、着色のリスクも低い。
- 白湯 → 体に優しく、着色の心配がない。
- 麦茶(薄めたもの) → 色が薄く、マウスピースに影響を与えにくい。
水や透明な飲み物を意識的に摂ることで、インビザラインの透明感をキープできます。
まとめ
インビザラインは、色の濃い飲み物によって着色しやすいですが、適切な対策を取ることで防ぐことができます。
- 着色しやすい飲み物(コーヒー、紅茶、赤ワインなど)は要注意。
- 飲む前にマウスピースを外し、飲んだ後はすぐにうがいをする。
- 洗浄をこまめに行い、着色してしまった場合は専用の洗浄剤でケア。
- 水や透明な飲み物を選ぶことで、着色を防ぐことができる。
インビザラインの透明感をキープするために、日常の飲み物選びにも気を付けてみてくださいね。