子供の歯がいつ生えてくるかのタイミングには個人差があります。早い場合もあれば遅い場合もあり、早ければ良いわけではなく、単に個人差であると思っていただいても大丈夫です。ただ、あまり遅い場合には歯科医師の診断が必要になることもあります。
乳歯が生えてくる時期
まず、赤ちゃんに乳歯が生えてくるタイミングについてご説明します。赤ちゃんの最初の歯は生後6~8ヶ月頃に、まず下の前歯が生え始めます。それから上下の歯が順番に生えてきて、1歳6ヶ月頃、奥から2番目の乳歯が生え始めます。
2歳頃になると全ての歯が生えそろい、上下10本ずつ、合計20本の乳歯が生えそろいます。(個人差がありますので、参考程度になさってください。)
それから6歳くらいまでは歯には変化がありませんが、永久歯が生えるために顎が成長していきます。
永久歯が生えてくる時期
前から何番目の歯か | 永久歯の名前 | 上あご | 下あご |
1 | 中切歯 | 7~8歳 | 6~7歳 |
2 | 側切歯 | 8~9歳 | 7~8歳 |
3 | 犬歯 | 11~12歳 | 9~10歳 |
4 | 第一小臼歯 | 10~11歳 | 10~12歳 |
5 | 第二小臼歯 | 10~12歳 | 11~12歳 |
6 | 第一大臼歯(六歳臼歯) | 6~7歳 | 6~7歳 |
7 | 第二大臼歯 | 12~13歳 | 11~13歳 |
8 | 第三大臼歯(親知らず) | 生える人と生えない人がいます | 生える人と生えない人がいます |
永久歯は乳歯よりも大きいため、綺麗に並ぶためにはスペースが必要です。6歳になると永久歯が生え始め、乳歯が永久歯に押し出される形で脱落して永久歯と交換されます。生える順番は乳歯と同じく下の前歯が一番早く生え変わり始めます。
7歳頃には上の前歯が生え替わり、その後1年くらい経つと、その隣の歯の永久歯が生え変わります
奥歯の生え替わりはもう少し遅く、9歳頃に乳歯が動き始めて、手前から順番に生え替っていきます。第二大臼歯と呼ばれる7番目の永久歯が生えるのは12歳~15歳頃と、子供によってタイミングが違います。
つまり、6歳~12歳と、長い期間にわたって少しずつ乳歯が抜けて永久歯に生え変わっていきます。
永久歯に生え変わってすぐは歯の根が弱いため、永久歯の歯根がしっかりとするには、生えてから2~3年程度かかります。
そして20歳頃までに親知らずが奥歯の最も後ろの位置に上下左右の計4本生え、永久歯は上下でそれぞれ(親知らずを含めると)16本ずつ、計32本あります。ただし、親知らずは傾いて生えている人や、生えてこない人もいます。
永久歯の生えてくる位置について
子供の前歯の後ろから永久歯が生えてきて、乳歯と永久歯が二重には得ていることに驚き、心配して歯科医院に来られるお母さんもおられますが、これは決して異常な生え方ではありませんので、ご心配には及びません。
前歯が生え変わる時は、永久歯は乳歯の下後方(舌側)に生え始め、斜めに乳歯の前歯を押し上げるようにして生え変わります。
一方永久歯の奥歯は、乳歯の奥歯の真下に生えて、下から真上に向かって乳歯を押すようにして生え変わります。
子供の歯の生え変わりの時期に関するQ&A
乳歯が生え始めるのは、赤ちゃんの生後6~8ヶ月頃です。
永久歯の生え変わりは、前歯から始まります。前歯が生え変わる際には、永久歯が乳歯の下後方(舌側)に生えてきて、斜めに乳歯の前歯を押し上げるようにして生え変わります。奥歯は乳歯の奥歯の真下に生え、下から真上に向かって乳歯を押し上げます。
乳歯と永久歯が二重になることは異常ではありません。特に前歯の生え変わりの時には、永久歯が乳歯の下後方に生えてきて、斜めに乳歯を押し上げるようにして生え変わるため、二重になることがありますが、心配する必要はありません。
まとめ
乳歯が生え始めてから永久歯に生え変わるまでをご説明しました。1歳をすぎても子供の乳歯が全く生えてこない時は、念のため歯科医院の受診をおすすめします。
子供の歯の生える時期と生え変わる時期については、以下の研究から得られる情報があります。
1. 「日本人小児における乳歯・永久歯の萌出時期に関する調査研究Ⅱ」¹²によると、日本の子供たちの乳歯の萌出時期は、男の子では5ヶ月から9ヶ月、女の子では6ヶ月から9ヶ月とされています。また、永久歯の萌出時期は、男の子では5歳6ヶ月から7歳、女の子では5歳5ヶ月から6歳7ヶ月と報告されています。
(日本人小児における乳歯・永久歯の萌出時期に関する調査研究Ⅱ.)
2. 同じ研究¹²によれば、乳歯から永久歯への生え変わり(萌出)の時期は、男の子では1歳1ヶ月から1歳7ヶ月、女の子では1歳1ヶ月から1歳7ヶ月とされています。
(日本人小児における乳歯・永久歯の 萌出時期に関する調査研究Ⅱ.)
これらの情報は一般的なものであり、個々の子供の歯の生える時期や生え変わる時期は、遺伝や栄養状態、全体的な健康状態などにより異なる場合があります。具体的な疑問や懸念がある場合は、歯科医に相談することをお勧めします。