歯と口のトラブル

知覚過敏で歯がしみるのを防ぐ方法は?

知覚過敏で歯がしみるのを防ぐ方法は?

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

虫歯ではないのに、冷たいものがしみて歯が痛い。歯ブラシを歯に当てるとピリッと痛む場合、それは知覚過敏という症状です。知覚過敏を防ぐ方法についてご説明します。

象牙質がむき出しになり知覚過敏になってしまう原因

象牙質が表面に出てきて露出した状態になってしまう主な原因として考えられることは以下の3つです。

①歯周病が進行して歯茎が下がった

歯周病が進むと歯を支えている歯槽骨が溶けて歯茎が下がっていきます。象牙質は今まで歯茎の中に隠れていたのですが、歯ぐきが下がって外に出てきてしまうのです。

②歯ブラシの擦りすぎまたは強く当て過ぎているために起こる歯磨きの仕方が間違っているために歯が削れたり歯茎が下がったりする場合があります。

ブラッシングが強すぎたり、こすりすぎたり、硬すぎる歯ブラシを使ったりしていると、エナメル質が削られて中の象牙質が表面に出てきて知覚過敏につながることがあります。

②噛み合わせ、歯ぎしり

歯ぎしりをすると、擦れあっている歯の表面が削られてダメージを受けますが、それ以外に歯の根元にも物理的な負担がかかります。

日常的に歯ぎしりや、噛み合わせに無理な負担がかかり続けると、歯の付け根が部分的に欠けてしまうことがあります。それをアブフラクション(楔状欠損)といいます。

特に上の歯の真ん中あたりの歯が欠けることが多く、根元を爪で擦ると痛みがあり、爪が引っかかります。歯がしみる(痛い)理由は、歯ぎしりが原因かもしれません。

知覚過敏に有効な薬用歯磨き粉

知覚過敏に有効な薬効成分は、「硝酸カリウム」と「乳酸アルミニウム」です。この成分を含む歯磨き粉は、知覚過敏を抑える効果があります。これらの成分は象牙質の表面をコーティングするため、歯がしみる知覚過敏の症状を緩和してくれます。

これらの薬効成分を含んでいる歯磨き粉は、歯を磨く以外にお勧めする使い方があります。それは、しみる歯の表面に塗りこんで塗り薬的な使い方をすることです。

その際の注意点としては、塗った部分をティッシュペーパーなどで拭って歯の表面から水分をとって乾燥させることと、塗りすぎないことです。歯の表面が濡れていると、歯みがき剤が水で流れてしまいます。また、多く塗ったからといって効果が増すわけではありません。

虫歯で歯に穴が開いてしまっているところに塗ると、一時的には痛みが止まるかもしれませんが、むし歯の治療にはなりませんので、きちんと治療を受けることをおすすめします。

知覚過敏の起こるメカニズム

歯はエナメル質、象牙質、歯髄から出来ている

歯の外側には硬いエナメル質があり、内部の象牙質を覆っています。知覚過敏の方は、エナメル質が何らかの原因で欠けてしまい、歯の構造的に内部に隠れていた象牙質が外に露出してしまっていることで知覚過敏になります。

歯の表面にあるエナメル質とは違って、象牙質には象牙細管と呼ばれる細い管が無数にあり、象牙質がむき出しになると象牙細管内の液体が移動して神経が刺激され、短く強い痛みとして感じることがあります。

知覚過敏を防ぐ方法に関するQ&A

知覚過敏を防ぐためにはどのような方法がありますか?

知覚過敏を防ぐためには、いくつかの方法があります。まず、適切な歯磨き方法を実践することが重要です。歯ブラシは柔らかめのものを使用し、力を入れずにやさしく磨きます。また、歯磨き粉として知覚過敏に効果のある薬用歯磨き粉を選ぶこともおすすめです。さらに、冷たい飲み物や熱い食べ物を摂る際にストローを使用したり、歯を保護するためにマウスガードを使用したりすることも有効です。定期的な歯科検診も大切であり、歯の健康を維持するために必要です。

知覚過敏の主な原因は何ですか?

知覚過敏の主な原因は以下の3つです。まず、歯周病が進行して歯茎が下がることで象牙質が露出します。次に、歯磨きの方法が間違っていたり、歯ブラシの擦りすぎや強い圧力によって歯が削れたり歯茎が下がったりすることも原因の一つです。そして、歯ぎしりや噛み合わせによる歯への負担が長期間続くと、歯の付け根が欠けてしまうことがあります。

知覚過敏の治療にはどのような方法がありますか?

知覚過敏の治療方法にはいくつかの選択肢があります。まず、歯科医による専門的な診断と治療が重要です。歯科医は原因を特定し、適切な治療法を提案します。一般的な治療法には、フッ素の塗布や歯の表面に保護膜を形成する封鎖剤の使用、象牙質の修復を行う充填治療などがあります。また、歯科医による歯へのセラミックスやレジンの被せ物の施術や、神経の治療が必要な場合は根管治療が行われることもあります。治療方法は個人の症状や原因によって異なるため、歯科医と相談することが重要です。

まとめ

歯のキャラクター

知覚過敏は、実際には歯の内部で虫歯になっている可能性もありますので、自己判断をせずに歯科医院でレントゲン撮影による診断が必要です。知覚過敏と診断された場合は、歯磨きの仕方や歯磨き粉の選び方を参考になさってください。歯がしみて痛む場合は、自分で判断せずに歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

▶プロフィールを見る

高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック