「よく噛むことができない」「ついつい早食いになってしまう」という場合、どのような工夫が必要なのか、どうすれば人はよく噛むことを習慣づけられるのか、ご紹介します。
よく噛むためのコツ
よく噛むためには、調理の段階、食べる段階のコツをご案内します。
調理のコツ
豆腐などの柔らかい食品のみではなく、根菜類(ごぼうやレンコンなど)の固い食材、こんにゃくやフキなど食感が変わっている食材を複数取り入れ、バランスを大切にしましょう。調理の際には、大きめに切るように心がけ、野菜は千切りではなく、大きめの乱切りにし、お肉をあえて厚切りにするなどすると、噛む回数は自然と増えます。歯ごたえを楽しめるように調理を行うためには、生で食べられる食材を使うと、加熱時間を短縮できます。
食べるときのコツ
一口の量をなるべく少なくしましょう。一口の量を多く口に入れた場合と、少なくした場合を比較すると、少なくした方がよりよく噛んでいるという研究結果が出ています。なるべく少しずつお口に運ぶようにすると良いです。30回噛むことを心がけ、飲み込むようにしましょう。
よく噛むことの体へのメリット
食事において、よく噛むと健康的で、栄養面に良いと知られていますが、具体的に、自分の体にどのようなメリットがあるのか、ご説明します。
●むし歯の予防
●消化の促進
●肥満予防
●脳への刺激
きちんと咀嚼してゆっくり時間をかけると、早食いの時よりも食べる量を減らせます。満腹中枢への刺激が早くなるので、食べ過ぎを防ぐことができ、肥満予防につながります。よく噛み飲み込めば、胃や腸への負担が減り、栄養素も吸収されやすくなります。
むし歯の予防
歯科医院としては、特にむし歯の予防という点を大きくお伝えします。
食べ物をしっかり噛む回数が多いほど、唾液の分泌量が多くなります。食後の口腔内は、虫歯の温床になりがちな酸性に傾いています。酸性のお口では虫歯菌であるミュータンス菌が活動しやすくなり、プラーク(歯垢)やバイオフィルムを作り出してしまいます。
唾液の分泌が多ければ、お口を中和しますし、初期虫歯であれば再石灰化を促して、エナメル質を修復する働きがあります。よく噛むと、虫歯の予防という点でも効果的ですし、あごの骨への刺激で骨が痩せる問題を防止でき、抜歯になる原因を一つ減らせます。
よく噛めない子供のための噛むコツに関するQ&A
よく噛むことによって唾液の分泌量が増えます。唾液には酸を中和する作用や抗菌作用があり、口腔内の酸性環境を改善します。また、咀嚼することで食物の細かい粒子が歯の表面からプラークやバイオフィルムを除去し、虫歯の発生を予防します。
よく噛むためには、柔らかい食品だけでなく固い食材も取り入れることが重要です。根菜類や食感の異なる食材を組み合わせ、食材を大きめに切ったり、歯ごたえのある食材を選んだりすると噛む回数が増えます。また、生で食べられる食材を使うことで加熱時間を短縮し、歯ごたえを楽しむことができます。
よく噛むためには、一口の量を少なくすることが重要です。少ない量を口に入れ、30回ほどゆっくりと噛み、飲み込むようにしましょう。食事を急いで食べずに、噛むことに集中して食べることで効果が得られます。また、噛む時間を意識するために食事を静かな場所で行ったり、テレビやスマートフォンを使わないようにすると良いでしょう。
まとめ
噛み合わせの歯に違和感がある、もしくは上下の歯で噛む時に上手に噛めない場合は、クリニックで歯科医師、もしくはスタッフに早めにご相談ください。不正咬合の影響による場合、矯正治療を行えば、快適に噛むことができます。そのようなお悩みはない方でも、定期的に医院で歯科健診を受けることで、虫歯や歯周病を早期に発見できますので、歯医者さんには痛みがなくとも、通院することをおすすめします。