矯正歯科

矯正したら楽器は吹けない?

矯正したら楽器は吹けない?

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

歯の矯正治療を行いたいけれど、楽器が吹けない状態は困るという患者様がおられます。

矯正と楽器は両立できる?

矯正治療に大きく関係しそうな楽器と言えば、一般的に吹奏楽器(管楽器)と呼ばれるものです。更に分けると、管楽器の中でも金管楽器や木管楽器が矯正に影響を及ぼす可能性があります。詳しくご案内します。

フルートやトランペット、トロンボーンなどの金管楽器は、唇を軽く閉じて音を出すため、それ程影響を受けにくい楽器です。逆にサックスやクラリネット、オーボエなどの木管楽器は、リードを噛んで音を出すため、歯科矯正により影響を受けやすい楽器ではあります。

矯正装置をお口の中に装着してしまうと、楽器が全く吹けなくなってしまうのではないかとご心配される方は多いですが、全く吹けないという状態にはなりません。もちろん、一時的に演奏のやりづらさを感じるかもしれませんが、矯正装置のあるお口に慣れてしまうと、吹奏楽部の部活動で一日おおよそ四時間ほど練習されるというケースでも、特に問題はありません。

楽器と矯正を両立させる場合、患者様の状態にもよりますが、ワイヤー・ブラケット矯正が向いています。ただ、ワイヤーの場合、ワイヤーの先が口腔内の粘膜に当たって口内炎ができる方もおられます。その場合は、歯科用のワックスをワイヤーの先に塗る処置を行いますので、クリニックへご来院ください。

歯の矯正の必要性とは

不正咬合による歯並びを綺麗にするためには、歯科医院での矯正治療が望ましいです。

不正咬合とは、出っ歯(上顎前突)・八重歯や歯のガタガタ(叢生)・口が閉まらない(開咬)・受け口(反対咬合)・下の前歯が上の前歯に隠れて見えない(過蓋咬合)・奥歯の噛み合わせが上下反対に咬んでいる(交叉咬合)など種類は様々です。顎の大きさを広げて綺麗に歯を並べる治療は、成人してからよりも、成長期のお子様が向いている場合があります。

定期演奏会や大会前に矯正治療開始はNG

楽器をされる矯正をご検討の方に、一つだけ注意点を挙げます。無料カウンセリングへ足を運び、ドクターの診察やスタッフにご相談されたうえで、最も適した矯正治療法をなるべく早く開始したいと思われるでしょう。

ただ、楽器をされている方は、大きな大会や演奏会の直前から矯正治療を開始するのはおすすめしません。大会や定期演奏会などの年間行事スケジュールを確認し、大会後からスタートすることをおすすめします。

矯正の装置が入ったお口、および歯の動きによる痛みに慣れる時間には個人差があり、演奏に支障が出る場合があります。大会が終了した後に、矯正治療を始めるべきというのはそのためです。抜歯を伴うケースがありますし、また期間が長く費用も高い治療だけに、時期を見て治療計画のスケジュールを立てることが大切です。

矯正中の楽器の演奏に関するQ&A

矯正治療をしていても楽器の演奏はできますか?

矯正装置を付けていても楽器の演奏は可能です。一時的に演奏のやりづらさを感じることもありますが、矯正装置に慣れると特に問題はありません。ただし、木管楽器の方が金管楽器よりも矯正による影響を受けやすいです。

矯正と楽器の両立に適した矯正治療法はありますか?

ワイヤー・ブラケット矯正が楽器との両立に適しています。ただし、ワイヤーの先が口内炎を引き起こす場合もあります。その場合は、ワイヤーの先に歯科用のワックスを塗る処置が行われます。

演奏会や大会前に矯正治療を開始するのは避けるべきですか?

大会や演奏会の直前から矯正治療を開始するのはおすすめしません。矯正装置のお口への装着や歯の動きによる痛みに慣れる時間が個人差があり、演奏に支障が出る場合があります。大会後から治療を始めることをおすすめします。

まとめ

歯のキャラクター

矯正治療を行うと楽器を吹くためには、人より多く練習時間が必要になるかもしれません。ならば大人になってから矯正治療を行っても良いと思われるかもしれませんが、大人になれば時間の自由がきかなくなります。学生のうちに矯正治療を行えば、お口の見た目や健康はもちろん、コンプレックスの解消という精神面の健康に繋がります。

お口のことでお悩みがある際は、当院にご相談ください。矯正治療の方法や、メリット、デメリットを含めて、きちんとご説明します。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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