噛み合わせや歯並びは日常の癖によって悪くなることがあります。子供の噛み合わせが悪くなる原因と予防についてご説明します。
目次
噛み合わせが悪化する原因は?
かみ合わせの異常には、さまざまな原因がありますが、日常的に何気なく行っている癖によって噛み合わせが悪化します。噛み合わせが悪くなる原因を知れば予防ができます。噛み合わせ(咬み合わせ)が悪くなる原因についていくつか挙げてみます。
- アゴの発育不足
- 頬杖をよくついてしまう
- 常に同じ方向を手枕にしてテレビを見てしまう
- うつぶせに寝ることが多い
- 足を組んで座ることが多い
- 片顎でかむことが多かったりする
- よく歯ぎしりや食いしばりをする
- 悪い姿勢や骨格の歪みなどを医師から診断されている
- 頭の打撲、または外傷を受けたことがある
- 歯を抜いたり、歯を失われた状態をそのまま放置している
- 歯科治療(被せ物などの補綴物)の不適合
- 歯列矯正後の後戻りなどの予後不良など
お子さんの骨格には遺伝的な要因もあり、それが大きな原因となる場合もあります。それに加えて、頬杖をついたり、歯を舌で押すなど、噛み合わせを悪くするような悪い癖があって、後天的に不正咬合が起こる場合も多くあります。
子供の噛み合わせが悪くなることを予防するためには?
子供の噛み合わせが悪くなる原因が癖や日常生活にある場合は、以下のようなことに気をつければ予防が可能です。
姿勢を良くする
お子さんの姿勢と噛み合わせは関係ないと思われるかもしれませんが、成長期のお子さんの顎の骨の成長は、全身の成長と深い関わりがあります。
頬杖をつかないようにする
頬杖をつくと片方の顎にだけ強い力がかかり、強い押される状態になります。そのため成長期のお子さんの顎の変形につながります。
顎の骨だけでなく、手が歯を押していると、その歯を少しずつ倒したり移動させたりすることになります。
猫背にならないようにする
特に食事の際には猫背にならないように気をつけましょう。猫背の状態で食事をすると、主に前の歯を使って噛むくせにつながります。
猫背にならないように姿勢を正して、前歯で食べ物を噛み切り、奥歯で噛み砕きすり潰すことを意識して食べましょう。
良く噛んで食べる
よく噛むとお口の周りの筋肉が発達して、唇や舌、顎などが正しく機能するようになり、歯並びが悪くなることを防ぎます。
また良く噛むことで唾液の分泌が増え、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
鼻呼吸を心がける
お子さんが口呼吸になると舌の位置が下がり、顎の発達が悪くなります。口呼吸の弊害は多く、歯並びが悪くなる、虫歯になりやすいというお口への影響に加えて、扁桃腺が腫れやすい、アレルギーを起こしやすいなど、身体への様々な悪影響につながります。
お子さんが口呼吸になっている場合は、口周りの筋肉を鍛える簡単な体操をしたり、鼻呼吸をするように意識しましょう。
歯医者での定期健診
定期的にお子さんの歯や顎の成長を歯科医院で診てもらうことも大切です。現在のお口の状態を知ることで、将来悪い歯並びや噛み合わせが起こることが予想される場合は、それを早めに予防することが出来ます。
子どもの時期から定期的に歯医者へ通い、予防につとめることをおすすめします。
子供の噛み合わせが悪いとなぜいけないのか?
お子さんの噛み合わせが悪いと八重歯や出っ歯などの不正咬合を引き起こし、見た目が悪くなるだけではありません。むし歯や歯周病の原因にもなりますし、全身にも影響が出ます。
大人の方でもご自身では噛み合わせが悪いことに気付いていないことも多く、歯医者で指摘されて初めて噛み合わせが悪いことを知るケースも多くみられます。
噛み合わせが悪いとこんなリスクがある
噛み合わせが悪い場合には、以下のようなリスクが高まります。
詰め物・被せ物に負担がかかって外れやすくなる
噛み合わせが悪いと歯にバランス良く力がかからずに、部分的に強い力がかかってしまいます。その部分に詰め物や被せ物があると、負担がかかってすり減りやすくなったり、外れやすくなります。
その結果、詰め物・被せ物の修理が頻繁に必要になったり、土台となっている歯の根にダメージが蓄積して歯そのものがダメになるリスクが高まります。
顎関節症になりやすい
口の開け閉めの際に音がする、口を大きく開けにくいなどの症状があると、顎関節症の疑いがあります。顎関節症は女性に多く見られ、噛み合わせの悪さや歯ぎしり・食いしばりがその原因としてあげられます。
頭痛、肩こり、めまい、腰痛が起こることがある
噛み合わせが悪いと全身のバランスにも影響が出ます。左右のバランスが悪くなった結果、頭痛や肩こり、めまい、腰痛などの症状として現れることがあります。
ストレスによる不定愁訴
噛み合わせが悪いためにうまく噛めなかったり、全身のバランスが悪くなったりして、ご本人が自覚していない間にストレスがたまっていく危険があります。その結果、病院に行ってもはっきりした病名のつかない様々な不定愁訴につながるリスクがあります。
子供の噛み合わせを悪くさせないに関するQ&A
子供の噛み合わせが悪いと、見た目の美しさだけでなく、むし歯や歯周病の原因となり、全身の健康にも影響が出ます。不正咬合や歯のバランスの乱れは、歯の損傷や歯周組織の炎症を引き起こし、さらには顎関節症や全身のバランスの崩れなどの問題を引き起こす可能性があります。
子供の噛み合わせが悪くなる原因を予防するためには、以下の点に気をつける必要があります。まずは良い姿勢を保つことや頬杖をつかないようにすることが重要です。また、良い噛み方をするためによく噛んで食べることや鼻呼吸を心がけることも大切です。さらに、定期的な歯医者の健診を受けることで早期に問題を発見し、適切な予防策を講じることができます。
子供の噛み合わせには遺伝的な要因も関与している場合があります。遺伝的な要因は大きな影響を与えることがあり、正常な顎の発育や歯の位置に影響を与えることがあります。ただし、後天的な要因や癖によって噛み合わせが悪化することもありますので、遺伝的な要因だけに注目するのではなく、環境や生活習慣の影響も考慮する必要があります。
まとめ
子供に悪い噛み合わせを起こすような癖がある場合は、親自身も生活習慣を見直してみましょう。お子さんは親が普段ちょっと気をつけてあげることで、悪い癖を改善することが出来ます。
また噛み合わせが悪くなる要因は、上記の他にもたくさんあります。ほんのちょっとした癖が原因で噛み合わせが悪くなるということを知っておいてください。