保険治療で出来る白い詰め物の素材は、レジンと呼ばれる歯科用プラスチックです。レジンは保険がききますがメリット・デメリットがありますのでご説明します。
レジンのメリット
メリット1.レジンは保険がきく
レジンの詰め物は保険適用です。そのため治療費が安いというメリットがあります。同じ保険適用の治療方法として銀歯がありますが、銀歯は金属なので目立ち、金属アレルギーになる危険性もあるため、レジンを希望する方が増えています。ただし、レジンの被せものに関しては一部保険適用外になります。。
メリット2.審美性が高い
レジンは白いので天然歯となじみやすく、詰めた部分が目立ちにくいというメリットがあります。白色にもさまざまな色調があるので、歯に合った色を選択することが可能です。
審美性が高い白い詰め物としてほかにセラミックがありますが、セラミックは自費治療となるため、保険適用のレジンと比べると費用がかなり高くなります。保険でなるべく安くきれいにしたい方、銀歯にしたくない方にはおすすめです。
メリット3.歯を大きく削らないで済む
金属の詰め物の場合、詰め物をはめ込むためにかなり大きく削る必要があります。しかしレジンでは歯に直接埋められるため、歯を削る範囲を少なくできるというメリットがあります。
歯を削る量が少なく、すぐに接着剤を塗るので手早く治療出来、感染症の危険性も少なくなります。
レジンのデメリット
レジンのメリットを見ると、欠点はなさそうに思えますが、実はいくつかデメリットがあります。
デメリット1.前歯にしか使えない
レジンは主に前歯を少し削って詰める治療に使用されます。奥歯を保険適用で治療するには銀歯になる場合がありますので、歯科医院にお尋ねください。
デメリット2.強度が低い
レジンはプラスチックなので、金属の詰め物と比べると強度が弱く、強い力の加わる奥歯では欠けたり割れたりすることがあります。強度の問題から、あまりに深い虫歯や、広範囲を削るケースではおすすめできない場合があります。
デメリット3.経年劣化により変色する
レジンは長期の使用により変色や艶の消失が起こることがあります。また、表面に歯垢などの汚れがつきやすいため、定期健診で表面をツルツルに磨いてもらってメンテナンスする必要があります。
表面が変色しても歯医者で研磨するとすぐに修復できます。レジンを完全に削り取って、再度レジンで詰め直すこともあります。しかし、何度も修復を繰り返すとレジンに接していた部分の健康な歯を少しずつ削る必要がありますので、それにつれてレジンを詰める範囲も少しずつ広がってしまいます。
デメリット4.歯科医師の技術で仕上がりが決まる
型とりの必要な詰め物の場合、詰め物の精度は歯科技工士がカバーできますが、レジンは完成までのすべての工程を歯科医師が行いますので、歯科医師の手先の器用さやテクニックによって治療の出来栄えがかなり変わることがあります。
雑な詰め方をすると、その部分にデンタルフロスが引っ掛かったり、通らないということも起こり、その後のセルフケアがやりにくくなります。
銀歯の詰め物を白い素材に変えたい
歯科医院のホームーページで、金属の詰め物がしてあったところが白く自然な歯のように修復されているのを見たことがあるかもしれません。
これは元々あった金属の詰め物を削ってきれいに除去し、新しくレジンというプラスチックのような素材を詰めて埋めたものです。
歯とほぼ同じ色で治療出来るので、銀歯が目立って嫌だとおっしゃる患者さんの詰め物を白いものに変える際に良く使われます。同じ白い詰め物で、セラミックという材料もありますが、こちらは保険がきかない自由診療となりますので、治療費が高額です。
レジンのメリット・デメリット
手軽に治療出来て保険がきく白い素材ということで、保険診療の詰め物は殆どレジンを使う歯科医師がおられる一方で、レジンにはデメリットもありますので、メリットとデメリットの両方についてご説明します。
レジンの治療の流れ
レジンの治療は、型取りが必要ないためかなり手軽です。実際にどのように行われるのか、銀歯をレジンに置き換える治療を例に見ていきましょう。
- 古い詰め物を除去する
- 虫歯があればその部分を削り取る
- ペースト状のプラスチックを詰めて特殊な光3~10秒当てて固める
- 表面を磨いたり歯のかたちを整えてかみ合わせをチェック
保険の白い詰め物に関するQ&A
レジンの治療において特に注意すべき点として、定期的なメンテナンスが挙げられます。経年劣化による変色や汚れを防ぐために、定期的な検診やクリーニングが必要です。また、レジンは強度が低いため、特に奥歯の広範囲を削る治療には向いていません。歯科医師のアドバイスを仰ぎながら、適切な治療を受けることが大切です。
レジンの治療は一般的に痛みを伴いません。特に麻酔を使用することで、治療中の痛みをほとんど感じることはありません。ただし、削る範囲や虫歯の進行具合によっては、治療後に一時的な違和感や過敏症状が現れることがありますが、これらはしばらくすると改善されます。
レジンとセラミックのどちらが審美性に優れているかは、治療の対象や目的によります。一般的に、審美性に優れた白い詰め物としては両者とも優れていますが、セラミックの方が自然な見た目を再現しやすい傾向があります。レジンも歯によくなじみますが、セラミックは光の反射や透過が歯とより近いため、より自然な美しい仕上がりが期待できます。しかし、セラミックは保険適用外で費用が高いため、治療費を抑えたい場合はレジンが選ばれることが多いです。
まとめ
レジンのメリット・デメリット、銀歯を白いレジンに変える際の治療の流れなどについてご説明しました。虫歯治療で新しく詰め物をする方、銀歯を白くしたい方は、レジンを詰める方法をご検討ください。