虫歯

虫歯の早期発見ってそんなに大事なの?

虫歯の早期発見ってそんなに大事なの?

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

虫歯を早期発見して出来るだけ進行させないことで、天然歯を守ることが出来ます。虫歯を早期発見するために気をつけることや、虫歯の再治療がどのような経過をたどるのかご説明します。

虫歯の早期発見が重要な理由

虫歯の早期発見は、歯の健康を守り、虫歯が進行して歯が深刻な状態になるのを防ぐ為に非常に重要です。虫歯の早期発見が重要な理由は以下の通りです。

1. 虫歯を早期治療すれば簡単に治療出来る

小さな虫歯は治療回数や費用が少しで済みますが、虫歯を放置して進行させてしまうと歯に大きな穴があき、痛みが出たりして、治療が難しくなって費用もかさみます。虫歯を早期に発見出来れば、より少ない負担で治療できます。

2. 虫歯による痛みと不快感の予防

虫歯が大きくなって神経に達すると、ズキズキとした痛みが続くようになります。虫歯で歯に穴があいた状態では、食事の度に食べ物がつまり、不快な思いをすることにもなります。虫歯を早期治療出来れば、これらの症状を防ぐことが可能です。

3. 虫歯が進行すると歯の損傷が進み噛めなくなる

虫歯が進行して歯に大きな穴があいたり歯が割れてしまったりすると、噛む力が弱くなったり、咀嚼機能の低下がみられるようになります。虫歯を早期治療すると歯の機能を失わずに健康に保つことができます。

4. 歯の寿命を延ばす

虫歯を早期発見し、軽症のうちに治療出来れば歯や歯の神経を守ることが出来ますので、天然の歯を長持ちさせることに繋がります。

虫歯のサインを見逃さないようにしよう

虫歯は初期段階では自覚症状を感じることが少なく、気づかずにそのまま放置して悪化させてから歯科医院に行くケースが殆どです。
虫歯は重度になると、歯を大きく削って詰め物や被せ物が必要になったり、痛みが出ている時は神経を取る場合もあります。

虫歯のサインは以下のようなものです。

  1. 歯が痛い、飲み物がしみる
  2. 歯茎が赤く腫れる
  3. 歯の変色、穴があく

1.歯が痛い、飲み物がしみる

虫歯が進行してエナメル質が溶けて薄くなると、歯の神経に食べ物や飲み物の温度が刺激として伝わって、痛みとして感じることがあります。

2.歯茎が赤く腫れる

虫歯の初期段階では痛みが起こりませんが、歯茎の周囲や歯との境目に歯垢が溜まると、歯茎に炎症が起こって歯茎が赤く腫れます。これを。虫歯の早期発見のサインの一つとして、見逃さないことが重要です。

3.歯の変色、穴があく

歯のエナメル質が虫歯菌の出す酸で溶けることを脱灰といい、歯の表面の艶がなくなります。歯の色が違ってきたときは注意が必要です。

また、酸によって歯に穴が空いたり黒ずんでいるときは、歯の内部が虫歯になっている可能性もありますので、早めに歯科を受診しましょう。

虫歯の再治療は歯を失うことに繋がる

小さな虫歯であっても、同じ歯を何度も虫歯治療すると、以下のようなことが起こります。

  1. 治療で歯を削るので天然歯が段々小さくなる
  2. 削った部分が少ない場合は詰め物をする
  3. 削った部分が大きくなると被せ物になる
  4. 歯の奥まで虫歯になると神経を取る必要がある
  5. 歯の根まで虫歯が進むと抜歯になることもある

このように、虫歯治療を繰り返すと、最終的には歯を失うことになります。

歯を失ったらどうなる?

虫歯や歯周病で1本でも歯を失ってしまうと、ブリッジ、部分入れ歯、インプラントのどれかの方法で治療する必要があります。奥歯などで他人から見えないからといって治療しないで放っておくと、左右でバランスよく噛むことが出来なくなります。

その結果、顎関節症を発症したり、身体のバランスが崩れて頭痛や肩こりが起こることもありますので、たかが1本と思わずに治療する必要があります。

ブリッジと入れ歯は保険適用で治療可能なため、手軽に治療を受けることが出来ます。しかし、ブリッジと入れ歯は他の歯で支える必要がありますので、周囲の歯を傷める原因になり、歯を次々に失う結果に繋がります。

歯を失わずに済むようにするには、虫歯や歯周病にならないように要望することが重要です。

虫歯の早期発見に関するQ&A

なぜ虫歯の早期発見が重要なのですか?

虫歯の早期発見は天然歯を守るため重要です。進行を防げば、重度の虫歯になることを防ぎ、歯を大きく削る必要や神経を取る必要を避けられます。

歯を失わずに済むためにはどうすればよいですか?

歯を失わずに済むためには、虫歯や歯周病にならないように口腔衛生に留意し、定期的な歯科受診を行うことが重要です。

奥歯を治療しないで放っておくと何が起こりますか?

奥歯を治療しないで放っておくと、左右でバランスよく噛むことができず、顎関節症を発症したり、身体のバランスが崩れて頭痛や肩こりが起こることがあります。

まとめ

歯のキャラクター

同じ歯を繰り返し虫歯治療した場合、徐々に歯を削っていくことになるため、最終的には歯を失うことに繋がります。そのため、虫歯を予防し、虫歯になってしまっても早期発見出来ることが重要になります。虫歯の早期発見のためには、家庭でのセルフケアに加えて歯科医院での定期健診を受けることをお勧めします。

虫歯の早期発見は非常に重要です。早期発見により、より効果的な治療が可能となり、歯の構造の破壊を最小限に抑えることができます。

1. 早期発見の技術
光コヒーレンス断層撮影(OCT)は、歯の微細な脱灰領域をリアルタイムかつ非侵襲的に検出し、高分解能と高感度で病変の動的変化を検出できるため、早期虫歯の検出に非常に有効です。OCTは、歯のエナメル質の病変の標準的な検査方法として大きな可能性を秘めていますが、定量的な方法と指標に関するコンセンサスが重要です。 【Shi, Niu, Zhou, & Dong, 2022】

2. 早期発見の重要性
虫歯は、口腔の健康を損なう主要な問題であり、早期に発見することが効果的な臨床介入に不可欠です。既存の診断方法は、早期の虫歯病変を検出するのにしばしば不十分です。このため、新しい診断ツールの導入が重要であり、早期の発見が可能な新しい診断ツール、例えばデジタル光ファイバー透過イメージング(DIFOTI)や定量的光誘発蛍光(QLF)などが開発されています。これらの新しい診断デバイスの導入により、早期虫歯の検出と治療が可能になり、その結果、患者の治療費用や医療サービスへの負担が軽減される可能性があります。 【
Majanga & Viriri, 2021】

これらの研究から、早期発見が虫歯の治療において重要であることが明らかです。新しい技術の導入により、歯の構造を維持し、治療の効果を最大化することが可能となります。

高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック