女性は男性に比べて虫歯が多いことが報告されています。それはどういう理由によるものなのかご説明します。
女性が男性よりも虫歯になりやすい理由
1. 女性は男性に比べて唾液の量が少ない
女性が男性よりも虫歯になりやすい1つ目の理由は、女性は男性に比べて唾液の量が少ないことがあげられます。
唾液には抗菌作用があり、お口の中の細菌を減らす役割をしてくれます。また、唾液によって食べかすや歯垢が洗い流されますので、唾液の量が減ることで虫歯になりやすくなります。
また女性は男性に比べてお口の中の酸を中和する能力が低いともいわれています。
2. 歯の構造が男性より薄く柔らかい
女性が男性よりも虫歯になりやすい2つ目の理由は、女性は歯の構造が男性より薄く柔らかいために虫歯の進行が速く、重篤になりやすいことが考えられます。
3. 女性は甘い物を好む傾向がある
女性が男性よりも虫歯になりやすい3つ目の理由として、女性が男性と比べて甘いものを好む傾向にあることがあげられます。
また、健康のためにお茶を良く飲むと、飲み物に含まれるカフェインが交感神経を刺激するために結果として唾液の量が減り、虫歯になりやすい口腔環境を作ってしまうということもあります。
砂糖の入った菓子や飲み物も虫歯になりやすい環境を作ります。スイーツを食べながら何時間もカフェでおしゃべりをする女性は、時々水を飲んでお口の中の細菌を洗い流すなどの注意が必要です。
調査結果から見る女性の虫歯のなりやすさ
虫歯のなりやすさは実は男性と女性では差があります。
厚生労働省の2012年の歯科疾患実態調査調査によると、一人の平均虫歯数(治療済みの歯や喪失した歯も含む)は男性14.7本に対して、女性16.1本となっています。
年齢別に見ると、15~19歳の平均虫歯数は男女どちらも約3本ですが、30~34歳では男性9.5本に対し、女性11.5本となっています。
このように、成人した女性は男性と比べて明らかに虫歯になりやすい傾向があるといえます。
女性は男性に比べて虫歯になりやすいの?に関するQ&A
女性は男性に比べて唾液の量が少なく、また酸を中和する能力が低いと言われています。さらに、歯の構造が薄く柔らかいため虫歯の進行が速いです。女性はまた、甘いものを好む傾向もあるため、これらの理由から虫歯になりやすいとされています。
年齢別に見ると、30~34歳の男性の平均虫歯数は9.5本に対し、同年齢層の女性は11.5本となっており、この年齢層で男女間の虫歯の差が最も顕著に現れます。
女性の歯の構造が男性より薄く柔らかいというのは、女性の歯質が男性よりも弱いことを指しています。これは歯質が脆弱であるため、虫歯の進行が速く、重篤になりやすいとされています。
お茶に含まれるカフェインが交感神経を刺激し、唾液の分泌を減少させることが知られています。これにより口腔内の環境が虫歯になりやすいものとなります。
水を飲むことで口の中が湿って細菌の増殖を抑え、食べかすや歯垢を洗い流すことができます。これにより、口腔内の環境が改善し、虫歯になりにくくなります。
まとめ
このように、成人女性は男性よりも虫歯になりやすい傾向があり、それには女性は男性と比べて①唾液の量が少ない、②歯の構造が薄く柔らかい、③甘い物を好むという理由があるということをご説明しました。
しかし虫歯予防をきちんと行っていれば、虫歯になるリスクをかなり減らすことが可能です。それにはまず3ヶ月に1度程度の歯医者での定期健診を受けましょう。虫歯はごく初期のもの以外は放っておいても治ることがなく、どんどん悪化していきますので、ひどくならないうちにプロの手で歯垢や歯石を徹底的に除去しましょう。