虫歯

歯磨きしてるのに虫歯や歯周病になる理由は?

歯磨きしてるのに虫歯や歯周病になる理由は?

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

毎食後に歯磨きをしていても、虫歯や歯周病になってしまう方がおられます。一生懸命ケアしているのに何故?と思われることでしょう。歯磨きしているのに虫歯や歯周病になってしまう理由をご説明します。

統計によると1日2回以上歯磨きしていても9割以上の人が虫歯や歯周病になっている

日本人は殆どの方が1日に2回以上の歯磨きをしています。それにも関わらず9割以上の人が虫歯になってしまい、4~6割の人が歯周ポケットの深さが4ミリ以上あって歯周病の疑いがあるという統計資料があります。

1日に2回以上歯磨きをする人の割合・・・77.1%

虫歯になったことのある人の割合・・・25~74歳の各年齢層で90%以上

4ミリ以上の歯周ポケットがある人の割合・・・35~74歳の各年齢層で40%以上

(平成28年度厚生労働省・歯科疾患実態調査)

1日に2回以上歯磨きをしていても虫歯や歯周病になってしまうというのは、ずいぶんおかしなことだと思われませんか?実は、このような結果が出たことにはきちんと理由があります。

その理由は歯と歯茎のケアが正しく行われていないから

歯磨き剤

1日に2~3回歯磨きをしていても、正しい磨き方が出来ていない為に、歯に歯垢がついたままになっていることが、虫歯や歯周病になってしまう理由です。

歯周病が悪化して歯を失い、しっかり噛めなくなると、柔らかい物しか食べられなくなります。その結果栄養状態が悪くなり、認知症や骨折による寝たきりを招き、糖尿病や誤嚥性肺炎のリスクも高まります。

しっかりと噛める歯を維持するためには、毎日の歯磨きを正しく行い、虫歯や歯周病を徹底的に予防する必要があります。

虫歯予防や歯周病の改善だけでなく、噛み合わせの改善、入れ歯の手入れなど、健康長寿を目指すためには大切なことが沢山あります。

実際にどの位磨けてないのか?

磨き残した歯垢(プラーク)が重なってネバネバした塊になったものをバイオフィルムといいます。バイオフィルムの中には細菌がさくさん棲んでおり、虫歯や歯周病を引き起こしますので、早く除去しなければなりません。

そこで、実際の歯磨きでの磨き残しはどのくらいあるのか、歯垢を染め出す液を歯に塗ると、歯のどの部分に磨き残しが多いのかがわかります。

歯医者での歯みがき指導で染め出し液を塗ってもらって、染まった部分が多くて驚いた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

歯垢の染め出し

磨き残しが起こりやすいのは以下のような部分です。

  1. 歯と歯の間
  2. 歯と歯茎の間
  3. 歯並びが悪くて歯が重なっている部分
  4. 歯が窪んでいる部分

歯が濃く染まったところは特に磨けていない部分ですので、歯ブラシを細かく動かしてていねいに磨きましょう。

歯間ブラシ、デンタルフロス、ワンタフトブラシを併用すると、歯垢を効果的に落とすことが出来、歯みがきの効率が上がります。

歯磨きは磨く順番を決めて行う

歯磨きの順番

歯磨きは磨く順番を決めて行いましょう。毎回順番通りに磨くことで磨き残しが少なくなり、全ての歯に歯ブラシが当たるようになります。

歯の磨き方にはお一人おひとりのクセがあり、良く磨けている部分と磨けていない部分があります。たとえ短い時間でも、お口の中全体をぐるっと一回りするように磨けば、歯ブラシの当たっていない箇所が減りますので、ぜひ順番を決めて磨いて下さいね。

歯磨きしてるのに虫歯や歯周病になるに関するQ&A

毎食後に歯磨きをしていても虫歯や歯周病になってしまう方がいるのはどうしてですか?

歯磨きをしていても正しい磨き方ができていないため、歯に歯垢が残ってしまい、それが虫歯や歯周病の原因となります。

歯周病や虫歯の予防を徹底するために必要なことは何ですか?

正しい磨き方で毎日の歯磨きを行うことが必要です。さらに、噛み合わせの改善や入れ歯の手入れなども重要です。

バイオフィルムとは何ですか?

バイオフィルムは、磨き残した歯垢が重なりネバネバした塊になったもので、その中には虫歯や歯周病を引き起こす細菌が多数存在します。

磨き残しをチェックするためには何をすると良いですか?

歯垢を染め出す液を歯に塗ることで、どの部分に磨き残しが多いかがわかります。

歯垢を効果的に落とすためにはどうすればいいですか?

歯間ブラシ、デンタルフロス、ワンタフトブラシを併用すると、歯垢を効果的に落とすことができ、歯磨きの効率が上がります。

まとめ

歯のキャラクター

毎日歯磨きしてるのに虫歯や歯周病になってしまうのは、歯垢をきちんと落としきれていないからです。歯ブラシ以外にも歯間ブラシ、フロスなどを使って、歯と歯の間や歯と歯茎の間など、歯垢がたまりやすい場所を重点的にケアしてプラークコントロールを行いましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック