矯正歯科

インビザラインでアタッチメントが取れたときはどうしたらいいの?

インビザラインでアタッチメントが取れたときはどうしたらいいの?

インビザライン治療を進めるうえで、アタッチメントは歯に強く接着されていますが、食事や歯磨きの仕方によっては取れてしまうことがあります。アタッチメントが取れてしまう原因や対処法、放置するとどうなるのかについてご説明します。

アタッチメントとは? その役割と重要性

アタッチメントまず、そもそも「アタッチメント」とは何なのか、そしてなぜ重要なのかを確認しましょう。

アタッチメントとは

  • 歯の表面に取り付けられる小さなレジンの突起
  • マウスピース矯正で歯を効率的に動かすために使用する
  • 目立ちにくい白い素材で作られている

歯からかなり飛び出て見えるので、つけてすぐは驚かれるかもしれません。アタッチメントがあるとないでは、歯とアライナーの密着度が全く違います。アタッチメントがあるために、アライナーの着脱が若干しにくくなりますが、何度か練習すれば慣れますので、ご安心くださいね。

アタッチメントの役割

  • マウスピースがしっかり歯を動かせるように固定する
  • 難しい動きをサポート(回転や細かい調整)する
  • アライナー(マウスピース)の密着性を高める

このように、アタッチメントはインビザライン治療をスムーズに進めるために欠かせない存在です。そのため、もし取れてしまった場合には、適切に対処することが大切なのです。

アタッチメントが取れてしまう主な原因

アタッチメントはしっかりと歯に接着されていますが、特定の条件下ではポロっと取れてしまうことがあります。

食事の影響

  • 硬い食べ物(ナッツ類、フランスパン、せんべいなど)を噛んだとき
  • 粘着質のある食べ物(キャラメル、ガム、もちなど)がアタッチメントに絡まったとき

アタッチメントに衝撃を与えることで、取れてしまうことがあります。取れるときは、本当にポロっと取れます。

歯磨きの方法

  • 力を入れすぎた歯磨き
  • 磨き残しによる接着部分の劣化

アタッチメントと歯の接着の境目には特に汚れが残らないように、ていねいに磨きましょう。アタッチメントはレジンですので、表面に汚れがつくやすいので、歯磨きをていねいにしないと、歯垢がついて最近の温床になってしまいます。

その他の要因

  • 口腔内の唾液や水分による接着強度の低下
  • 歯の形状やアタッチメントの位置による影響
  • 無意識に舌で触ってしまう

このように、食事や日常の習慣によってアタッチメントが取れるリスクが高まることがあります。日ごろから注意して過ごすことで、取れるリスクを減らすことができます。

アタッチメントが取れたときの対応方法

では、実際にアタッチメントが取れてしまった場合、どのように対応すればよいのでしょうか?

すぐに確認すべきポイント

  1. マウスピースがしっかりフィットしているか・・取れた後もアライナーが正しくはまっているか確認しましょう。
  2. 取れたアタッチメントがどこにあるか・・飲み込んでしまった場合でも、基本的に体内に影響はありませんが、注意しましょう。
  3. 痛みや違和感があるか・・アタッチメントが取れても痛みを感じることは少ないですが、異常があれば歯科医院に相談しましょう。

歯科医院に連絡するタイミング

すぐに受診すべきケース

  • 複数のアタッチメントが一度に取れた場合
  • マウスピースが浮いてしまい、適切に装着できない場合
  • 治療中の歯の移動がスムーズに進んでいないと感じる場合

次の通院時に相談しても問題ないケース

  • 1つだけ取れていて、マウスピースが問題なくはまっている場合
  • 治療計画に大きな影響がない場合

「少しくらい取れても大丈夫」と思わずに、歯科医院で相談するのが一番安心です。特に、治療計画に影響を与えそうな場合は、早めの対応が重要になります。

アタッチメントが取れたまま放置するとどうなる?

「1つくらい取れても大丈夫では?」と思われるかもしれませんが、実は治療に影響を与えることがあります。

歯の動きが計画通りに進まなくなる

  • アタッチメントがないと、マウスピースの力がうまく伝わらない
  • その結果、予定通りに歯が動かず、治療期間が延びる可能性がある

マウスピースが浮く・合わなくなる

  • アタッチメントがあることで、マウスピースが適切な位置に固定される
  • 取れたままだと、浮き上がってしまい、正しく機能しなくなる

再装着のための追加治療が必要になることも

  • アタッチメントが取れたまま放置すると、次回の診察時に調整が必要になる
  • 最悪の場合、新しいマウスピースを作る必要が出てくることも

このように、アタッチメントが取れたまま放置すると、治療の遅れや追加の処置が必要になる可能性があります。取れてしまったら、なるべく早く歯科医院に相談しましょう。

アタッチメントが取れやすい人とは?

同じインビザライン治療を受けていても、「私はアタッチメントがよく取れるけど、友達は全然取れない」というケースもあります。では、どんな人がアタッチメントが取れやすいのでしょうか?

1. 硬い・粘着性のある食べ物をよく食べる人

  • ナッツ類やせんべい、フランスパンなど、硬い食べ物を頻繁に食べる
  • キャラメルやガム、餅などの粘着性が高い食品を好む
  • これらの食品はアタッチメントに強い負荷をかけ、取れる原因になる

食事の内容を少し見直すだけで、アタッチメントが長持ちする可能性があります。

2. 歯ぎしりや食いしばりの癖がある人

  • 無意識に強く歯を噛みしめることが多い
  • 寝ている間に歯ぎしりをする
  • マウスピースを装着している間に、強く噛んでしまう癖がある

歯ぎしりや食いしばりが強いと、アタッチメントに負担がかかり、外れやすくなります。ナイトガード(歯ぎしり用のマウスピース)を併用するのも良い対策です。

3. 舌や指でアタッチメントを触る癖がある人

  • 舌で無意識にアタッチメントを触ってしまう
  • 指で歯を触る癖がある
  • アライナーの着脱時に力を入れすぎている

アタッチメントはデリケートなものなので、意識的に触らないようにすることが重要です。

4. 口腔内の状態が乾燥しやすい人

  • 口呼吸の習慣がある
  • 唾液の分泌が少ない
  • 歯の表面が乾燥しやすい

口腔内が乾燥していると、アタッチメントの接着強度が低下し、取れやすくなります。こまめな水分補給や口を閉じる習慣をつけることが大切です。

5. アタッチメントの位置や形状による影響

  • 歯の形状や表面の状態によって、接着が難しいケースもある
  • 奥歯や凹凸の多い歯にアタッチメントが付いている場合、取れやすくなることも

歯科医院でのカウンセリング時に、アタッチメントの位置について相談するのもひとつの方法です。

アタッチメントが取れやすい人には、以下のような特徴があります。

  • 硬い・粘着性のある食べ物をよく食べる
  • 歯ぎしりや食いしばりの癖がある
  • 舌や指で触る癖がある
  • 口腔内が乾燥しやすい
  • アタッチメントの位置や歯の形状の影響を受けやすい

もしご自身に当てはまる項目があれば、日常生活で気をつけることで、アタッチメントをより長持ちさせることができます。特に食生活の改善や、歯科医院での定期的なチェックを受けることで、より快適にインビザライン治療を進めることができますよ。

アタッチメントを長持ちさせるためのポイント

せっかく取り付けたアタッチメントを、できるだけ長く保つためには、日常のケアが大切です。

食事に気をつける

  • 硬い食べ物や粘着質の食べ物は避ける
  • 大きな力をかけずに、ゆっくり噛む

正しい歯磨きの方法を意識する

  • ゴシゴシ磨かず、優しく歯磨きする
  • 柔らかめの歯ブラシを使い、アタッチメントの周りを丁寧に磨く

舌や指で触らない

  • 無意識に舌で押したり、指で触ったりしないように注意

ちょっとした工夫で、アタッチメントの耐久性を高め、治療をスムーズに進めることができます。

まとめ

  • アタッチメントは、インビザライン治療にとって重要な役割を持っています。
  • 取れる原因には、食事や歯磨きの方法、舌での癖などが関係します。
  • 取れた場合は、まずマウスピースが正しくはまるか確認し、必要に応じて歯科医院に相談しましょう。
  • 放置すると治療計画に影響が出る可能性があるため、適切に対処することが大切です。
  • 長持ちさせるためには、食事や歯磨きの工夫が重要です。

「アタッチメントが取れてしまった!」と焦る前に、まずは冷静に状況を確認し、適切な対応を取るようにしましょう。インビザライン治療をスムーズに進めるためにも、アタッチメントを大切に扱いましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック