食べ物が口に入ると唾液は自然に出てきます。唾液にはいろいろな働きがあり、口臭対策にも有効です。唾液の働きについてご説明します。
気になる口臭の原因は?
唾液と口臭の関係性をみていく前に、口臭の主な原因を知っておきましょう。
口臭の原因、それは、お口の中の微生物が産生するガスです。つまり、お口の中の環境が悪くなって細菌が増殖すると口臭がきつくなります。
細菌が好む環境は、温かく湿っていて、エサとなる食べ物のカスなどがあることです。お口の中は細菌にとってとても居心地の良い環境といえるでしょう。
細菌がお口の中で増殖しないようにするには、毎日の歯磨きを丁寧に行い、3ヶ月に一回程度の歯医者での定期健診を受けることをおすすめします。それに加えて、唾液の量や質を上げるための対策をとりましょう。
サラサラ唾液とネバネバ唾液
唾液にはサラサラ唾液とネバネバ唾液の2種類があります。サラサラ唾液はリラックスした状態の時に分泌され、ネバネバ唾液はストレスや緊張を感じていたりイライラしている時に
分泌されます。
唾液は、耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つの唾液腺から分泌されます。
サラサラの唾液は主に耳下腺から分泌され、リラックス状態の時に分泌されやすいのが特徴です。
サラサラですのでお口の中を洗い流す自浄作用や、食べ物を湿らせて飲み込みやすくしてくれ、消化酵素が多く含まれているので消化吸収を助けます。
ネバネバの唾液は舌下腺から多く分泌され、緊張している時やイライラしている時に分泌されやすくなります。ネバネバの唾液にも役割があり、粘膜を保湿し、細菌の体内への侵入を阻んでくれます。
口臭を予防する様々な方法
お口の中が原因の口臭の場合の予防方法についてご紹介します。
1.歯磨き
まず、歯磨きをていねいに行います。歯ブラシとデンタルフロスで歯についている歯垢をしっかり落とせば、歯垢の中にいる細菌が原因で発生している口臭はかなり改善されます。
2.舌や頬を動かして唾液を出して口腔内を洗浄する
舌や頬を動かすと、唾液が出ますので、お口の中にいきわたらせて口臭を出す細菌を洗い流します。唾液には抗菌効果がありますので、歯の表面や歯ぐきにもいきわたらせ、舌で歯をなぞるように動かしましょう。
3.舌の清掃
舌の上に白い苔のようなものがたまっていませんか?これは舌苔(ぜったい)と呼ばれ、細菌の塊です。舌苔を除去することで口臭の発生を防ぐことが出来ます。
通常は上あごと舌がくっつく際の摩擦で自然に汚れは落ちますが、口呼吸や受け口の人は舌に汚れがたまりやすいです。
4.うがい
水でうがいをするとある程度は口臭が消えます。洗口剤を使うのも良いです。
5.歯科医院での定期健診(クリーニング)
歯周病の患者さんは歯周ポケットが深くなり、ポケット内の歯垢や歯石に細菌が棲みついています。そして歯茎からは歯周病特有の臭いがします。歯周ポケットの中の歯垢や歯石は歯磨きでは取れませんので、歯科衛生士によるプロのクリーニングでないと除去出来ません。
唾液の質を良くする食べ物は?
唾液の分泌量が多いと、唾液の持つ成分が良く働いてくれます。そして、量だけでなく唾液の質も大切です。唾液の質を良くするにはどうすれば良いのでしょうか?
お口の中は通常、食品によって酸性に傾きがちで、虫歯菌などの細菌が増殖している状態では、唾液はネバネバしています。サラサラの唾液にするには、野菜や海藻などの繊維質の多い食材を良く噛んでバランスよく食べることが必要です。
冬に食べる機会の増える鍋物は肉、魚、野菜、キノコ類など様々な食材が使われ、よく噛んでバランスよく食べるのに最適です。歯の再石灰化を助けるカルシウムが豊富な食品は小魚やチーズ、牛乳、ひじきなどです。また、キウイフルーツは舌苔(ぜったい=舌の汚れ)を落とし口臭予防にもなります。
噛む回数を増やすことで唾液はどんどん出てきます。そのため、良く噛まないと飲み込めない大きさで、程々に噛んで食べなければならない硬さに調理することを心がけましょう。
唾液で口臭対策に関するQ&A
口臭の主な原因は、お口の中の微生物が産生するガスです。お口の中の環境が悪化し、細菌が増殖すると口臭が強くなります。
口臭を予防するためには以下の方法が効果的です。
1. 歯磨きを丁寧に行うこと。
2. 舌や頬を動かして唾液を出し、口内を洗浄すること。
3. 舌苔を除去するために舌の清掃を行うこと。
4. 水や洗口剤を使ってうがいをすること。
5. 歯科医院での定期健診とクリーニングを受けること。
唾液の質を良くするには、繊維質の多い野菜や海藻をよく噛んで摂取することが重要です。また、カルシウムが豊富な小魚やチーズ、牛乳、ひじきなどの食品も助けになります。キウイフルーツは舌苔を落とし口臭予防にも役立ちます。
まとめ
唾液をしっかり出して行う口臭対策についてご説明しました。唾液が少ないと口臭が発生しますので、出来るだけ唾液を十分に出すように心がけましょう。