6歳臼歯は乳歯が生え揃ったあとに初めて生える永久歯の奥歯です。6歳臼歯はとても大切な歯ですが、むし歯になりやすいため注意が必要です。6歳臼歯についてご説明します。
6歳臼歯の役割とは?
1. 大きくて噛む力が強い
6歳臼歯は正式名を第一大臼歯といい、永久歯の中で一番大きく、ものを噛んで砕く力が最も強い歯です。固いかたまりを噛んで擦りつぶし、唾液の分泌を促進しながら消化を助けます。
2. 歯を整列させるための基準となる
永久歯の歯列の形成は6歳臼歯の位置が基本になります。歯並びや噛み合わせを整える基準となる歯です。
3. 顎や顔の成長に影響する
奥歯でしっかり噛んで食べることで、顎の骨やお口の周りの筋肉の発育を促します。
4. 咀嚼力(噛む力)に影響する
6歳臼歯は噛むためにとても重要な歯で、6歳臼歯を失うと咀嚼効率が2/3以下になってしまうといわれます。生涯しっかり噛んで食べるためには、ずっと守っていかなければならない重要な歯となります。
「歯の王様」と呼ばれている6歳臼歯
6歳臼歯は6歳頃を目安に乳歯の一番奥に生えてくる永久歯で、上下左右に4本生えてきます。6歳位で生えてくるため、6歳臼歯と呼ばれています。6歳臼歯は永久歯で、生え変わることはありません。そのためお子さんの生涯を通して使っていかなければならないとても重要な歯です。
6歳臼歯は虫歯になりやすい
6歳臼歯は大切な役割をもった歯ですが、とても虫歯になりやすいため注意が必要です。なぜ6歳臼歯は虫歯になりやすいのでしょうか?それにはいくつか理由があります。
- 乳歯の奥歯の後ろに生えてくるので見えにくく、生えてきていることに気づきにくい
- 生えたばかりの歯はやわらかく酸に弱い
- 6歳臼歯は大きくゆっくりと生えてくるため虫歯になりやすい時期が長く続く
- 一番奥に生えるので歯ブラシが届きにくく歯垢が残りやすい
- 噛み合わせ面に細くて複雑な溝が何本もあり、その部分に歯垢がたまりやすい
このように6歳臼歯は大切な歯でありながら、虫歯になりやすい条件がそろっています。そろそろ親の手による仕上げ磨きを卒業する年代にさしかかりますが、6歳臼歯がしっかりと生えるまでは親御さんが歯の状態を見てあげて子どもの虫歯対策を行うようにしましょう。
6歳臼歯を虫歯にしない為には?
6歳臼歯を虫歯にしない為には以下のことを参考にしましょう。
1. 歯磨き方法
6歳臼歯が完全に生えるまでには、手前にある乳歯の奥歯との間に段差が出来ます。その場合は歯ブラシの毛先がどうしても届きにくく、磨き残しが出来やすくなりますので、歯ブラシを斜めに差し込むようにして丁寧に磨きましょう。
6歳臼歯が完全に生えるまでは、仕上げ磨きをしてあげるようにしましょう。
2. フッ素を併用する
生えたばかりの柔らかい歯質の歯を守るためには、フッ素の使用が効果的です。生えたての歯にはフッ素が取り込まれやすいため、虫歯予防の効果が期待できます。歯磨きの時にフッ素配合の歯磨き剤やフッ素洗口液を使い、歯科医院でフッ素塗布を受けると効果的です。
3. シーラント
シーラントは一番虫歯になりやすい奥歯の溝の部分をレジンなどで埋めて虫歯菌の出す酸から奥歯の溝を守るための治療です。シーラントは保険適用で歯科医院での処置となります。シーラントを施すのは6歳臼歯だけでなく、他の歯にも有効です。
処置はすぐに終わり、痛みもありません。シーラントをする歯の位置によって治療の時期が異なりますので、詳しくは担当医にお尋ねください。
6歳臼歯が大事な理由に関するQ&A
6歳臼歯は噛む力が強く、歯を整列させる基準になり、顎や顔の成長に影響し、咀嚼力にも重要な役割を果たします。
6歳臼歯を虫歯にしないためには、適切な歯磨き方法(歯ブラシを斜めに差し込んで磨く)、フッ素の使用(歯磨き剤や洗口液の使用、歯科医院でのフッ素塗布)、シーラントの施術(奥歯の溝を埋めて虫歯予防)が有効です。
6歳臼歯が生えるまでは親が歯の状態を見て、子どもの虫歯対策を行う必要があります。親が手による仕上げ磨きを行うことやフッ素の使用、シーラントの検討などが重要です。
まとめ
6歳臼歯はこれから一生使っていく大切な永久歯の奥歯ですので、出来るだけ気をつけてケアをして、虫歯にならないようにしましょう。